プリンス得点王の冬はノーゴール終幕…長崎総附FW荒木「どんな相手でも抜けるように」
ゲキサカ / 2018年1月5日 23時20分
[1.5 全国高校選手権準々決勝 長崎総合科学大附高 0-3 流通経済大柏高 駒場]
高円宮杯プリンスリーグ九州で得点王に輝いたアタッカーの冬は、ノーゴールのまま幕を閉じた。長崎総合科学大附高FW荒木駿太(3年)は準々決勝の流通経済大柏高を終え、「自分のプレーが出せなかった」と悔やんだ。
「緊張もあったんですけど、弱気になってしまった部分があった」。無得点に終わった大会をとおして、自身のプレーをそう振り返った荒木。小嶺忠敏監督は2回戦の高川学園高戦に勝利した後、そんな18歳の心中を想像していた。
「ドリブルで2~3枚抜ける力があるのに、いつ爆発するんだろうか。今大会は全く機能していないね。でも、なぜかは全く分からない。何十年たっても特効薬はないし、今と昔じゃ性格も違うからね」。取材陣に対しては、具体的な対応を明言しなかったが、荒木によると試合後に「お前は強気でやれ」とアドバイスしていたという。
そうして迎えた3回戦の青森山田高戦、荒木は前半にポスト直撃のシュートを放つと、後半はカウンターの最先鋒として奮闘。指揮官は「まあまあだったね。点は取ってないけど、行けそうな感じはありました」と及第点の評価を与えていた。
さらに荒木の性格についても言及。「彼は褒めたら褒めただけいいんですよ。謙虚だからね。調子に乗らないからいいんです」。そのような分析を聞いていると、2回戦の後に施したアドバイスの効用が垣間見えた。
しかし、準々決勝の流経大柏戦では「セカンドボールが拾えない」展開となり、「マンマークを付けられた」ことで、戻ってきた強気さを発揮するチャンスはわずか。最後まで得点を奪うことはできず、「思うようなプレーができなかった」と肩を落とした。
百戦錬磨の指揮官が「将来非常に良い選手になるんじゃないか」と期待を寄せる背番号7の冬は、不完全燃焼のまま終わった。ただ、サッカーを続ける限り、取り戻すチャンスはあるだろう。卒業後は多くの長崎総附OBが選んだ駒澤大に進学。「高校よりもずっとレベルアップして頑張りたい」と意気込んでいる。
「プロになるために、弱気になるのはダメなので、積極的なプレーをしたい。そのためには自分の長所を生かして、どんな相手でも抜けるような選手にならないといけない」。最後の冬で残った悔しさを晴らすべく、荒木は新たなステージへ歩みを進める。
(取材・文 竹内達也)
●【特設】高校選手権2017
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