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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』: 副キャプテンの“願い”(前橋育英高・田部井悠)

ゲキサカ / 2018年1月6日 10時39分

 キャプテンの涼から見て、副キャプテンの悠はこう見えている。「意外と自分が気付かない所とか些細な所を気付いてくれるので、そこは本当に頼りにしています。悠はガミガミ言うタイプじゃなくて、結構クールにやるタイプなので、一言がグサッと来るというか、たまに言うことが効くというのがありますね」。本人もそれは自覚している。「試合中はそこまで声を出さないんですけど、試合に負けた時とかに、負けたままで終わっちゃダメなので、いざという時にポイントポイントで意見を言うようにはしていますね」。言わば影のリーダータイプ。その立ち位置について「ちょっとカッコいいですよね」と笑う姿に、普通の高校生の一面も垣間見える。

 また、中学生の頃から書いているサッカーノートは、指揮官をして「よく書いてありますよ。他の子と全然違いますね」とのこと。小学校時代から先生の影響で日記を付けていたことが、文章力に結び付いている。ペースは1週間に1回程度で、試合が終わると提出する。「監督のことは意識せずに、自分が思ったことを常に直球で書いているノートなので、そういう所が評価されているのかなと思います」。ちなみに現代文は得意教科。テストでは満点を取ることも少なくないそうだが、「“古文”はダメですね。ちょっと違うので“古文”は難しいです」と苦笑いも浮かべていた。

 忘れられないシーンがある。昨年度のファイナル。青森山田に0-5と大敗を喫したゲームの、大量失点を招くきっかけとなった1失点目。「動画を見てもらえればわかるんですけど」と切り出した悠は、こう振り返る。「高橋壱晟選手が1点目を取ったんですけど、あそこは自分が戻ればシュートを打たれなかったのに、自分が軽く足を出したことで、先に打たれて(長澤)昂輝さんに当たって、シュートコースが変わって入ったんです。その時の“写真”が一番悔しいというか、もっと早くプレスバックしていればシュートを打たれなかったと思っているんです」。自分の甘さを痛感させられた“一瞬”が、今シーズンの1年間を支えてきた。

「攻守の切り替えで、プレスバックを怠らないでこの1年間やってきたのは自信になっているので、そういった部分は意識してやっています」と口にした悠にとって、埼玉スタジアム2002でのプレーは、去年の自分を、そして去年のチームを超えるための時間でもある。「特に5点取られたことよりも、得点ゼロというのが一番印象的で、あそこのネットを揺らすというのは、個人的には一番強い想いがあります」。県予選もそこまでノーゴールだった決勝で、唯一の得点を叩き出し、チームを全国へ導いた。今大会もここまでゴールは奪えていないが、来たる大一番で再びタイガー軍団を救う主役となる未来が待っているのだろうか。

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