流経大柏との“堅守対決”に散る…矢板中央MF稲見「自分たちと似ているな」
ゲキサカ / 2018年1月7日 16時4分
[1.6 全国高校選手権準決勝 流通経済大柏高1-0矢板中央高 埼玉]
高校最後の試合は総体王者との堅守対決となった。試合終了のホイッスルが吹かれ、矢板中央高(栃木)の主将MF稲見哲行(3年)は涙をこぼす仲間たちを整列に導いたが、「涙はこらえようと思ったけどこらえられなかったです」と感極まった。中盤から鋭い縦パスを蹴り出し、U-17日本代表MF松井蓮之(3年)とのボランチコンビで奮闘した。
自慢の堅守がぶつかった。前半は狙いどおりスコアレスで折り返すと、続々と交代カードを切ったが、交代策が的中したのは相手だった。後半19分、途中交代のMF加藤蓮(3年)がアーリークロスを右足ダイレクトで叩き込んだ。この一発に沈み、「9番は警戒していたけど、あのシュートはうまかったですね」と、会場をどよめかせたスーパーゴールに舌を巻いた。
「センターバックやボランチ、1人1人が守備を意識しているのが伝わってきて、自分たちと似ているなと感じた。紅白戦をしているようで楽しかったです」。ゴールはこじ開けられなかったが、最後まで守備は崩れず、夏の王者を最小失点に抑えた。
新人戦、総体では結果を残せなかった。失点を重ね、勝てない時期が続いたが、個々が守備面を強化。苦しい時期はキャプテンとしての苦心もあり、「チームメイトに強く言えなかった。気持ちを切り替えて、嫌われ役になってもいいから強く言おうと思った」。ミーティングを開いて全員の意識を統一。一丸となって日本一に向かうと、「全員が守備意識を高く持って」今大会を勝ち上がり、09年度以来、矢板中央の過去最高記録に並ぶ全国4強入りを成し遂げた。
12月に行われたプリンスリーグ関東参入戦で昌平高(埼玉)を打ち破った経験が自信になった。「昌平高校に無失点で勝ったのは選手権への弾みになった。自分たちがやってきたことは間違っていないとそこで感じた」。来年度のチームに“置き土産”を残し、稲見は「後輩は力のある選手が多い」と期待を寄せると、「矢板中央の歴史を塗り替えて日本一を取ってほしい」と夢を託した。
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 佐藤亜希子)
●【特設】高校選手権2017
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