藤枝順心、大会無失点で高校女子サッカー選手権を制覇!!2年ぶり3度目の「藤枝NO.1!」
ゲキサカ / 2018年1月7日 20時19分
90分間の試合を通して両チームとも集中力が高く安定したバランスを崩さず、攻守ともに互角の展開だったといっていい。だが、前半に作陽に見せた2度にわたる一瞬の隙がことごとく得点につながった。
作陽の池田監督はチームの成長と手応えを感じつつ、悔しさもにじませる。「輝かしい舞台で選手に悔し涙を流させてしまったことが悔しいです。(作陽に流れがきていた)いい時間帯に点が取れなかったのが反省。ただ、この舞台で戦えた経験は彼女たちの人生にとっても糧になる。自信をもって次のステージで進んでほしいです。ここまで来れたのは先輩たちが残してくれたものが原動力になっている部分もあります。やり続けてきたことがあるからこの舞台に来られました。でも、優勝できなかったことにも意味はあるはずです」。
一方、藤枝順心の多々良監督は「狙って取った優勝」だとホッとした様子。「(2年前の)前回の優勝はたまたまという部分もありました。優勝できるとは思っていませんでしたから。でも、今回はしっかりと狙いました。無失点で優勝できたことが一番うれしい。今大会で対戦した日ノ本学園高(関西1/兵庫)や大商学園高(関西2/大阪)もそうでしたが、大きくロングフィードして、そのルーズボールを拾おうとするチームが多い傾向の中、ルーズボール争いに負けなかったのが勝因です。ただ、今日は作陽さんにヘディングですらされたりと苦しみました」。
前々大会の優勝後、インターハイでも優勝を飾った。だが、そこから勝てなくなった。選手権の前回大会は大商学園に0-2で敗れ、昨夏のインターハイでは決勝で日ノ本学園に0-1で敗れた。
「今年のチームは前回の選手権で大商学園に負けたところからのスタート。2年前の選手権は相手の良さを消すサッカーで優勝しましたが、それだけでは勝てなくなりました。それから、セットプレー対策など、ひとつひとつをコツコツと積み上げてきました。あれらの敗戦があるから今日があります」
相手の良さを消すサッカーは今でも継続中である。だが、その内容はさらに突き詰められた。それを証明してみせたのが、日ノ本学園と大商学園にきっちりリベンジを果たしつつ達成した無失点優勝だったのだ。
1年の時からチームの主力で、前回の優勝も経験している藤枝順心のキャプテンMF千葉玲海菜(3年)も無失点優勝を喜ぶ。「CB2人と自分、GKも含めて連係し合えたことが大きかったと思います。全員の守備意識が高いチームでした。最後に笑って終われて良かったです」ととびきりの笑顔だ。
作陽も一方的に敗れたわけではなかった。公式記録のシュート数は藤枝順心の8本に対し9本。池田監督も「相手がやりたいことを抑えられた実感はあります。あとは自分たちの時間帯に点を取る攻撃力が課題です」と前を向く。「ここ(決勝)まで来られる自信はつきました。彼女たちが一歩一歩成長してくれれば日本一になれると思います」。
2016年度のインターハイでの決勝進出に続く今回の選手権での決勝進出。一歩ずつ成績を上げていく作陽。ファイナリストに上り詰める回数も増えてきた。決勝の経験を増やした同校が今後どのような成長曲線を描くのかにも注目だ。
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 伊藤亮)
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