主将、復帰へ!前橋育英は流経大柏をパスワークと「5原則」で上回り、初V勝ち取る
ゲキサカ / 2018年1月7日 19時36分
主将、復活! 第96回全国高校サッカー選手権は8日、埼玉スタジアム2002で決勝戦を行う。悲願の初優勝を目指す前橋育英高(群馬)は、流通経済大柏高(千葉)との決勝戦を翌日に控えた7日午後、埼玉スタジアム第2グラウンドで最終調整。主力組は体幹トレーニングとパス交換、ジョギングなど1時間強のメニューで汗を流した。
3回戦の富山一高(富山)戦で右足を打撲し、準々決勝と準決勝を欠場したMF田部井涼主将(3年)はチームトレーニングのほか、個人メニューのスプリントやミドルキックなどを実施。そして、GKトレーニング中に「1本だけな!」と言われて蹴った左足シュートをゴール右隅にスパンと決め、関係者たちを唸らせた。
終始、スムーズにメニューをこなしていた田部井涼はその後、左足CK、ミニゲームもテスト。トレーニング後には「全然蹴るのも大丈夫ですね」と語り、1本をしっかり決めたシュートについては「いやあホント、楽しかったんで(笑)、練習が。ちょっと熱くなっちゃった」と笑っていた。その田部井涼については山田耕介監督も「行けると思いますよ」とコメント。決勝で先発復帰することが濃厚になった。
田部井涼は前回大会も負傷で先発を外れ、交代カードのひとりに。今年も再び負傷してしまい、悔しい思いもあったはずだ。「自分はキャプテンなのでそういった感情は表さないようにしていましたけれど、プレーヤーとして(悔しさ)はもちろんありましたし、自分の準備がもしかしたら足りなかったのかなという気持ちにもなった。そこは割り切ってみんなを信じて勝ってくれると思っていた」。準々決勝も、準決勝も本人は先発出場する心構えだったが、山田監督は無理をさせず、先発回避を決断。そして、仲間たちが繋いだ決勝に、「あそこでいるかいないかで全然違う」(山田監督)という主将はより良い状態で臨むことになった。
現在得点ランキング首位のFW飯島陸(3年)の活躍や、G大阪内定CB松田陸(3年)と新潟内定の左SB渡邊泰基(3年)らに注目が集まる今年の前橋育英だが、彼らを昨年度に続く決勝まで導いたのは「球際、切り替え、ハードワーク、声、競り合い・拾い合い(ファースト・セカンド)」という「5原則」だ。
田部井涼はピッチ中央にいる普段とは違い、ベンチから2試合をチェック。「米子北戦の入りは少し甘かったですけれど、圧倒はしていましたね。(『5原則』を)意識し続けたのは大事で、それを一回の練習でも意識していた。自分がいなくても勝ったのはちょっと悔しいですけれど、そこは本当によくやっていたと思うし、圧倒していたと思いますね」と自分がいなくても実行していた仲間たちを頼もしく感じている。
自身も加わって臨む決勝戦。「向こうのプレスに対して、ウチがどれだけ回せるか」(山田監督)というパスワークに加え、この1年間やってきた「5原則」で流経大柏を上回ることが優勝するための必須条件になる。「流経はホントにこの5つもそうだし、球際は日本一だと思う。夏から冬にかけて自分たちは流経に勝つこと、あの決勝に立って勝つことを目標にしてやってきた」と田部井涼。1年前の決勝戦で青森山田高に0-5で敗れたこと、夏のインターハイ準決勝で敗れた流経大柏にリベンジすることを目指して「5原則」を磨いてきた成果を、前橋育英は帰ってきた大黒柱とともに決勝戦の大舞台で発揮し、必ず勝つ。
(取材・文 吉田太郎)●【特設】高校選手権2017
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