90+2分に大会初失点…流経大柏GK薄井覇斗「DFとの連携が取れなかった」
ゲキサカ / 2018年1月9日 7時10分
[1.8 全国高校選手権決勝 流通経済大柏高 0-1 前橋育英高 埼玉]
悔やんでも悔やみきれなかった。総体王者の流通経済大柏高(千葉)は99年度大会の市立船橋高(千葉)以来となる無失点優勝は達成できず、GK薄井覇斗(3年)は「無失点を叶えられなかったのは悔しいです」と肩を落とした。
90分をスコアレスで終え、突入した後半アディショナルタイム2分に痛恨の失点。FW飯島陸(3年)の決定的な左足シュートはDF三本木達哉(3年)が体をぶつけ、至近距離でブロック。しかし、こぼれ球をFW榎本樹(2年)が右足で叩くと、三本木の股間を抜いたシュートがさらに自らの股下を抜けてネットを揺らした。
「あの時間帯に点が入りやすいのは分かっていた。声をかけて出ていったけど、DFとの連携が取れなかった。シュートの跳ね返りに対して自分が体を張って最後、体を投げ出せなかったのが敗因だったと思います」
無失点優勝は届かなかったが、決勝までの4試合を無失点に抑えた薄井は大会優秀選手に選出された。報道陣からそれを伝え聞いた守護神は驚いた表情を見せ、「自分は今大会、あまり仕事をしていないのでDF陣に感謝したいです」と謙虚に話した。
鉄壁の守りはこの日も健在。後半19分、ゴールライン手前で打ち込まれた連続シュートを決死の3連続ブロックで跳ね返し、会場をどよめかせた。「今日もDF陣が止めてくれた。今大会、自分がダイブしたシーンは今日の試合で3本。それまでの試合で自分が飛んだシーンはほとんどないので、やっぱりDFの力が大きい」。GKの出番が少ないまま決勝を迎えた難しさもあったが、言い訳はせず、守備陣に感謝を示した。
高校3年間はキック、シュートストップ、クロスの対応を磨いた。しかし、今大会は納得のいくプレーが発揮できず、「まだまだ足りないなと思った」と悔いが残った。前日の最終調整では70歳の本田裕一郎監督が「薄井の精神が不安定だから」と激励の意味を込め、自らCKを蹴り込んだ。叱責される機会は多かったが、それも期待の裏返し。「信頼してもらっていた」と振り返った。
卒業後は小、中、高をともに過ごした主将のMF宮本優太(3年)らとともに、昨年12月に行われた大学選手権(インカレ)を3年ぶりに制した系列校の流通経済大に進学する。来年度の“兄弟V”を目指し、「今の2年生には頼もしい選手がたくさんいる。自分たちの分も選手権を取ってくれたらうれしい」と後輩に選手権制覇の夢を託した。
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 佐藤亜希子)
●【特設】高校選手権2017ラストゲームの悔いをこの先に生かし、
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