流経大柏主将MF宮本優太が見せた“敗者の美学”…指揮官は「プレーよりもリーダーシップを評価」
ゲキサカ / 2018年1月9日 9時47分
[1.8 全国高校選手権決勝 流通経済大柏高 0-1 前橋育英高 埼玉]
“夏冬連覇”はあと一歩で夢と消えたーー。インターハイを制し、夏の王者として臨んでいた流通経済大柏高(千葉)は前橋育英高(群馬)を前に涙をのんだ。「自分たちも必死に持ち味を出そうと思ってたんですけど、相手のリズムにのまれすぎて自分たちの良さを出せなかったのが、ここまでやってきたことと違った」。主将のMF宮本優太(3年)は、流経大柏らしくプレーできなかったと試合を振り返る。「セカンドボールを拾えてなかった。(菊地)泰智に出せるようなパスがなかったので、攻撃面を攻めるんじゃなくてボールの取り方のところに自分たちは課題を与えていなかないといけない」。
0-1で敗れたインターハイとの違いについて、前橋育英のDF後藤田亘輝(3年)は「インターハイのときにやられたセットプレーでやらせなかった」と回想。DF近藤立都(3年)のロングスローを含めたセットプレーで粘り強く守られた。DF三本木達哉(3年)が前橋育英のエース飯島陸(3年)にマンマークでついたため、実質5バックのような形になった流経大柏は、宮本優とMF宮本泰晟(3年)の2人で中盤の広範囲をカバーしていた。無尽蔵の運動量を誇る宮本優は、前半11分には左サイドを突破した菊地のクロスに対して最前線まで駆け上がって飛び込んだが、合わせ切ることはできなかった。
GK薄井覇斗(3年)や宮本泰が名指しでやりにくさを警戒していたFW宮崎鴻(3年)が入ってきた後半19分からは、186センチのFW榎本樹(2年)と185センチの宮崎という“ツインタワー”に手を焼き、宮本優は10センチ以上差がある宮崎の対応に追われることになった。「インターハイのときはまだ対応していたんですけど、選手権になって相手もひとランク上がったのでそこで対応し切れなくてリズムをつくられちゃった」。「延長行けば立て直せるかな」とこらえていたが、後半アディショナルタイムに榎本に決勝点を許してしまった。その瞬間、流経大柏が今大会の目標にしていた「優勝」と「無失点」が潰え、もうひとつ掲げていた「フェアプレー賞」も前橋育英に譲ることになった。
それでも「後悔はないですね」と高校サッカーで過ごした3年間を宮本優は振り返る。「3年間苦しかったですけど、決勝のピッチに出させてもらって、最高の仲間と最後までやれたことを感謝したいです」。
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