高校選抜FWはJリーガー、年代別代表の名並ぶ“最激戦区”。唯一両方に属さないFW荒木が突破と走りで存在感

体力的に苦しい時間帯で走力、突破力を発揮していたFW荒木駿太(長崎総合科学大附高)

[1.20 練習試合 日本高校選抜候補 0-3 大阪体育大]

　日本高校選抜のFWは最激戦区とも言えるポジションだ。選手権得点王でU-19日本代表にも初選出されたFW飯島陸(前橋育英高3年)をはじめ、いずれもJリーガーの北九州FW佐藤颯汰(日章学園高3年)と岡山FW福元友哉(市立船橋高3年)、そして快足FW圓道将良(旭川実高3年)も昨年にU-18日本代表候補入りを果たしている。

　加えて、今回の合宿不参加の横浜FM・FW町野修斗(履正社高3年)も昨年の日本高校選抜メンバーで、U-18日本代表候補歴を持つ大型ストライカー。プロ選手、年代別日本代表選手が激しく争うポジションだが、この日は両方に属していないFW荒木駿太(長崎総合科学大附高、3年)が印象的な働きを見せた。

　出場した2試合では無得点に終わったものの、午前に行われた阪南大戦の1本目ではスピードに乗ったドリブル突破、鋭い切り返しで決定機を演出。長崎総合科学大附で鍛え抜かれた走力は特に光り、午後の大阪体育大戦では25分×4本の練習試合で計3本に出場し、ラスト4本目で鋭い仕掛けやハイプレスによって大学生を苦しめていた。
　
　阪南大戦でも敵陣でインターセプトするなど守備力も発揮した荒木は、「自分は総附でも走るタイプで、総附は走らないと試合にも出られない。FWとしての仕事は点を取ることなんですけれども、チームに貢献できるような走りや守備ができたらいい」と得点以外の部分でも高校選抜に貢献することを誓っていた。

　長崎総科大附のチームメートにはC大阪入りした“高校ナンバーワンストライカー”FW安藤瑞季(3年)がいた。高校選抜の競争相手は“格上”ばかりだが、普段から安藤という強烈なライバルに負けじと自身を磨き、プリンスリーグ九州得点王という結果も残した荒木はどこへ行っても物怖じせずに競争することができる。

「自分たちのチームに凄い選手がいて、そいつに負けないという気持ちでやってきている。チームでは瑞季一人なんですけれども、ここには何人もいる。それでも、気持ちでは負けないようにしたい」。平野直樹監督(履正社)は他のFW陣同様に荒木を高く評価。その指揮官によりアピールして、高校選抜入りを果たすためにも選考合宿最終日の21日は突破、守備、走りに加えてゴールを決める。

(取材・文　吉田太郎)●富士ゼロックススーパー杯2018特集
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