[新人戦]昨年の悔しさバネに日本一へチャレンジする“公立の雄”大津、九州大会を連勝スタート
ゲキサカ / 2018年2月17日 20時40分
[2.17 九州新人大会予選リーグ 筑陽学園高 0-2大津高 宮崎県総合運動公園補助球技場]
平成29年度第39回九州高校(U-17)サッカー大会(九州高校新人大会)が17日に開幕。予選リーグ第1節と第2節を行った。第1ブロック第1節の大津高(熊本1)と筑陽学園高(福岡2)との一戦は、FW奥原零偉(2年)の2ゴールによって2-0で大津が勝った。
東海大熊本星翔高を9-0、ルーテル学院高を7-0で下すなど圧倒的な強さで熊本県新人大会を制した大津が、九州大会でも予選リーグ初日2連勝。筑陽学園を2-0で破り、第2節でも宮崎日大高(宮崎2)を4-1で下した。
筑陽学園との第1節は前半7分に先制点を奪う。カウンターから前を向いた奥原が左前方の10番FW水野雄太(2年)へパス。注目アタッカーの水野が、スピードを活かした仕掛けで一気にエンドライン際までえぐってゴール前を横切るパスを通す。これを、ファーサイドの奥原が右足1タッチでゴールへ沈めた。
大津はさらに11分、MF松原亘紀(2年)の左FKから連続シュート。最後は奥原が頭で押し込む。2度のチャンスをしっかりと仕留めた大津が序盤で2点をリード。だが、こちらも力のある筑陽学園は、セカンドボールの攻防戦で引かずにボールを奪うと、推進力のあるFW赤司匠(2年)やMF井手口蓮(2年)が鋭く前進していく。
そして22分にはMF小川大輝(2年)が直接FKでゴールを脅かすが、これは大津GK水町彩人(2年)がファインセーブ。また、大津は平岡和徳総監督が「吸収力が凄い。サッカー以外のスポーツをさせても抜群に凄い」という身体能力を持つ“植田2世”CB吉村仁志(2年)が空中戦を制圧し、MF福島隼斗主将(2年)ら各選手が球際激しい守りを見せるなど得点を許さない。
福島が「最初だったのでみんな硬くなるのは分かっていて、スタッフも1-0でいい、しっかりゼロでいけという指示がありました。そこはみんなも意思統一している」と説明していたが、大津は攻撃面で思うような試合展開に持ち込むことができなくても守備の部分を徹底。終盤に4連続シュートを止められ、右SB西原大地(2年)のヘディングシュートがポストを叩くなど追加点を奪うことはできなかったものの、それでも相手の勢いに飲まれることなく完封勝利を果たした。
平岡総監督は「残り5分でもう1つ取れるのが強いチーム」と厳しかったが、続く宮崎日大戦は3-1の試合終了間際にFW大崎舜(2年)がゴール。できないことをあぶり出して改善を目指す大会で一つできなかったことを修正した。
昨年の大津は公式戦で先発全員を2年生が占めることも多かった。期待されてきたチームだったが、夏冬の全国出場を逃し、プレミアリーグからも降格。シュート1本の質、崩しの質をレベルアップしてきた選手たちは、昨年味わった悔しさを晴らす意気込みだ。「心技体は掛け算だと思う」という平岡総監督の下、人間力、技術力、そして体力全てを高めてスケールの大きなチームへ。夏、冬の全国大会で日本一を目指す大津はそのために課題を発見、克服していくことを繰り返し、進化を続ける。
勝利に飢えている彼らにとってはもちろん、目の前の九州大会で強さを示すことも大事。「九州で今まで何もタイトル獲っていない分、こういうところで絶対に落とせない」と福島が語ったように、“公立の雄”は今回の九州大会6試合を全力で勝ちに行く。
(取材・文 吉田太郎)
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