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「ケガしてリハビリするのは当たり前」広島DF佐々木翔、2度の靱帯断裂から706日ぶり復帰

ゲキサカ / 2018年2月24日 21時1分

2度の右膝前十字靭帯断裂を乗り越え、約2年ぶりに復帰した広島DF佐々木翔

[2.24 J1第1節 広島1-0札幌 Eスタ]

 不安がなかったわけではない。706日ぶりの復帰戦を90分フル出場で終えられたことに安堵と喜びが交錯した。4バックの左サイドバックで開幕スタメンに名を連ねたサンフレッチェ広島のDF佐々木翔にとっては、これが16年3月20日の大宮戦以来、約2年ぶりの復帰戦。2度の右膝前十字靭帯断裂という悲劇を乗り越えてのカムバックだった。

 エディオンスタジアム広島に駆け付けたサポーターも、大きな拍手とコールでその復帰を祝福した。「復帰戦どうこうではなく、一つの試合と捉えていたけど、声援をもらうと、抑えられない特別な感情になる」。試合後はゴール裏で直接サポーターに挨拶したが、「感情が高ぶる話をするとやばいので。サポーターの方には申し訳ないけど、そういうキャラでもないし、軽い感じでやりました」と照れ隠しで笑った。

 16年3月20日の大宮戦で右膝前十字靭帯断裂の重傷を負い、全治8か月と診断された佐々木だが、復帰を目指していた昨年1月22日の練習中に再び同箇所を負傷。右膝前十字靭帯再断裂に伴う2度目の手術を受け、再び全治8か月と診断された。昨季中の復帰は果たせなかったが、今季開幕に照準を合わせ、キャンプイン。「オフ明けから有酸素系は高い数値だった」と城福浩監督も驚くほどのコンディションをつくってきた。

 それでも開幕前夜には「気持ちの高ぶりというよりも、久々の公式戦で90分もつのか。足をつるんじゃないかとビビっている部分のほうが大きかった」という。「体力的なところは失われていた部分。90分間、足もつらずにプレーできて、そこを再構築できたのは大きい」と胸を張った。

「ケガをしてリハビリするのはサッカー選手として当たり前。ここに戻ってくるのは最低条件。このあとピッチで結果を出すことが大事だし、僕がいない間も僕のことを思ってくれていた人たちのためにもピッチで責任あるプレーをしないといけない」。約2年にも及んだリハビリ生活が辛く、苦しいものでなかったはずがない。それでも、そんな素振りを露ほども見せず、努めて明るく、そして前だけを見据えた。

(取材・文 西山紘平)
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