規格外の“大声”と“高さ”でアピール、全日本大学選抜DF菊池流帆「関東のみんなは僕のことを…」
ゲキサカ / 2018年4月6日 14時20分
[3.18 デンソー日韓定期戦 全日本4-3全韓国 柏の葉]
叫びながら守り、決めてから吼えた――。全日本大学選抜DF菊池流帆(大阪体育大3年=青森山田高)は前半30分、恵まれた身体能力を生かしたジャンプで先制ヘッドを決めた。試合序盤から「行け!」「やれ!」と大声でチームメートを鼓舞する姿も目立ったが、約2000人が集まった観客にアピールする狙いもあったようだ。
「関東のみんなは、僕のことあんまり知らないと思いますからね」。取材に応じた長身センターバックは、普段どおりの軽快な口調で“大声”の真意を述べた。プロ規格のスタジアムで行われた親善試合となったが、応援団がいないため静かな雰囲気の中での一戦。力強い叫び声がピッチ内外に響き渡り、序盤からスタンドの視線を集めていた。
そんな背番号22は“結果”という形でも先立って存在感を見せつけた。劣勢になりつつあった前半30分、MF相馬勇紀(早稲田大3年=三菱養和SCユース)の左CKに対し、大型選手が並ぶ韓国選抜の守備陣をかいくぐり、頭一つ以上抜け出したハイジャンプで合わせた。「相馬に『あそこに蹴って』と伝えていたので、走り込んで良い打点で叩けた」
小兵のテクニシャンを中心にメンバー構成を行った日本選抜に対し、先発の平均身長が7.5cmも上回っていた韓国選抜は、身長180cm以上がフィールドプレーヤーに9人。日本選抜はDF鈴木大誠(筑波大3年=星稜高)と2人しかいなかったため、マークを集める形となっていたが、「気持ちかったですね。久々に“ヒット”しました」と満足の一撃だった。
持ち味の“熱さ”と“高さ”を披露した背番号22は、関東の舞台でもキャラクターを認知させたようだ。試合終了間際には「落下点をミスってやべえと思った」というクリアミスの直後、こぼれ球に追い付いての豪快なオーバーヘッドキック。スタンドから拍手混じりの大歓声が送られ、この日に決まった計7発のゴールシーンより大きな盛り上がりを見せていた。
そんな男も今季が最終学年。卒業後はプロ入りが確実視されているが、「即海外に飛び出せるくらいの実力を付けないといけない」と目標も“規格外”だ。「プロに入っても絶対に負けてはいけないところ」という武器にも磨きをかけ、まずはチームを4年ぶりのタイトルに導く。
(取材・文 竹内達也)●第92回関東大学L特集
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