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「前後際断」。今何をすべきか考え、実行した日本高校選抜が世界で舞う

ゲキサカ / 2018年4月3日 10時14分

 ボルシアMGは選手を立て続けに入れ替えて反撃。敵陣深い位置までボールを運び、そこから穴を開けようとしてきていたが、日本は最終ラインで存在感を見せ続ける生駒と蓑田の両CB、後藤田、角田の両SBたちがチームコンセプト通りにしつこく、人数をかけて守り続ける。要所でGK薄井の勇気ある飛び出し、クリアも出ていた。終盤は特に荒木、佐藤颯をはじめとした各選手が献身的な走りの連続。相手のミスを何度も誘発していた日本は23分には井上に代えてFW飯島陸(前橋育英高→法政大)、さらに佐藤颯をFW町野修斗(履正社高→横浜FM)にスイッチする。狡猾に時間を進め、平野監督が求める「勝ち切り方」を表現した日本がそのまま2-1で逃げ切った。

 今年の日本高校選抜には合言葉があった。「前後際断」。過去にも、未来にもとらわれずに、今を全力で生きようという意の禅の言葉なのだという。日本高校選抜は今大会、4度先制されたが、そこで今何をしなければいけないのか切り替えられたからこそ、4度追いつき、決勝では逆転した。同点、また逆転してからは喜びすぎることなく、今何をしなければならないのか考えて次の1点を狙ったり、試合を締めることを目指した。それをチームのために素直に実行できる、合言葉通りの集団になった。

 田部井は「今やれることをキチッとやれたから連続失点しなかったですし、もっと持って行けたのはあの言葉があったからだと思います」とコメント。静岡合宿の際に福島・田坂和昭監督から「人は変えられないけれども、自分は変えられる」という話とともに伝えられた言葉が「前後際断」だった。それを平野監督、選手たちはミーティングで繰り返し確認。平野監督は「勝つために何をしなければいけないかということで、その状況、スコア、時間帯……選手が判断して今何をすべきかできるようになってきたというのは、少し子供から大人のサッカーになってきた」と頷いていた。

 5年ぶりとなるデュッセルドルフ国際ユース大会優勝。田部井は「出ている選手も出ていない選手も一丸となって戦うことができたと思います。その他にも現地の日本人の方が応援に来てくれたり、日本にいる友だちも向こうの時間だと深夜だと思うんですけれども『おめでとう』とかLINEをくれていたので、そういうものも支えになりました」と仲間の支えの大きさについて語り、平野監督は「日本の高体連の総力です」と全国の高校サッカー部の指導者、関係者たちに感謝した。そして、指揮官は「ここから代表選手が出てくれるのが本当に楽しみですよね。どこのチームのマネではなく日本の子たちがやったサッカーで勝てたのが良かった。素敵な仲間の集まりだったと思います」とコメント。歴史あるデュッセルドルフ国際ユース大会で貴重な経験、勝利の自信を得た選手たちはJリーグ、大学、また高校のステージで学んだことを発揮する。
 
(取材・文 吉田太郎)●2018日本高校選抜欧州遠征特設ページ
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