我慢し、プロの意地見せたFW佐藤颯汰。開幕当初は控えも最後は4戦連続先発し、優勝ゴール!
ゲキサカ / 2018年4月3日 12時38分
[4.2 デュッセルドルフ国際ユース大会決勝 ボルシアMG 1-2 日本高校選抜]
デュッセルドルフ国際ユース大会の序盤はベンチスタート。Jリーガーとして参加している中で悔しい思いもあったはずだ。だが、日本高校選抜のFW佐藤颯汰(日章学園高→北九州)は自らのプレーで信頼を勝ち取り、予選リーグ第3戦から決勝戦まで4試合連続で先発出場。最後に前線の柱となったFWは決勝戦で決勝PKを決めた。
決勝戦は1トップとして先発し、前半途中から荒木駿太(長崎総科大附高→駒澤大)との“九州2トップ”に移行。ともに大会序盤はベンチメンバーだった2人の走力は凄まじかった。相手が横にボールを動かすところに対して、時に持ち場関係なく追い続けてミスを誘発。その運動量は試合開始から最後までほぼ変わらなかった。
「(荒木)駿太と2人で相当嫌がられた2トップだったと思います。予選から駿太と『九州2トップでやれたらいいね』と話していた。アイツと2トップやりやすかったので良かった」という佐藤颯は守備面だけでなく、攻撃面でも存在感を示す。ボールが入ると、確実に5m、10mとドリブルで前進。体ごと潰されるようなシーンもあったが、相手DFに嫌がられる存在となっていた。
後半開始直後にはGKと1対1になりながらシュートミス。それでも7分、荒木が競ってこぼれたボールを拾うと、一気に加速してPAへ侵入する。振り切られたボルシアMGのDFは後方からタックル。佐藤颯は「(DFの足が)引っかかっていたのは分かっていたんですけれども倒れないつもりだった。いつもだったら頑張って外すというパターンだったんですけれども、かかって(結果的に)上手く倒れることができた」。主審は迷わず、PKスポットを指差し、PKが与えられた。
ここで主将のMF田部井涼(前橋育英高→法政大)から「どうする」と確認された佐藤颯は、「オレが蹴る」と志願。軸足を滑らせて転倒しながらのシュートだったが、豪快な一撃をゴール左隅に突き刺した。
これが優勝ゴールに。佐藤颯は「PKという形でしたけれども、目標が優勝と自分の得点でチームに貢献するということだったので、それが少しは出せたんじゃないかと思います」と喜んだ。
控えからスタートし、我慢しながら努力を続け、ピッチに立った際にチームのために戦い、勢いづける。そして個人、チームとして結果を出した。この経験は今後、彼が高いレベルの中でポジションを獲得し、試合に出続けるためのきっかけになったのではないか。
「(今回の経験を活かして)開幕戦(J3)メンバー外だったので、出場することをまず監督にアピールして出れたら、奪いたいし、ここでの経験をチームに持ち帰って自分が成長したことを見せたいです」。欧州で通用した推進力ある動きをJの世界でも。今後に注目のFWが欧州遠征で得られたものをプロでの活躍に繋げる。
(取材・文 吉田太郎)●2018日本高校選抜欧州遠征特設ページ
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