[プレミアリーグWEST]J3デビュー果たし、確かな成長示すC大阪U-18MF松本凪生が同点弾
ゲキサカ / 2018年4月16日 7時10分
[4.15 高円宮杯プレミアリーグWEST第2節 京都U-18 1-1 C大阪U-18 東城陽G]
高校年代最高峰のリーグ戦、高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグ2018WESTは15日に第2節を実施。京都サンガF.C.U-18(京都)とセレッソ大阪U-18(大阪)の一戦は、1-1の引き分けとなった。
初白星を目指したこの日はC大阪らしい前線からのアグレッシブな守備が機能し、チャンスを作ったが、決定機を活かせず。開幕戦に続いて引き分けという結果に終わった。DF室津颯斗(3年)が「勝ち点3が欲しかった」と口にすれば、村田一弘監督も「スピードとパワーが不足しているように感じました。歴代のチームを見ていると物足りなさを感じる」と続けたように、決して満足の行く試合ではなかったが、その中でも違いを見せたのが、ボランチのMF松本凪生(2年)だ。
「ボールを握れず、苦しい展開で、攻め込まれる回数も多かった」と振り返る前半は、32分に守備の隙を突かれ、京都のMF山田楓喜(2年)に先制点を献上。だが、松本自身は持ち味である出足の鋭い相手への寄せと球際の強さを活かしたボールハントでピンチを防ぐ場面が多く見られた。
魅せたのは守備だけではない。「攻撃をもっとできないと上(のステージ)に行けないので、目に見える結果をしっかり出したい」という今年の意気込みを示したのは45分のプレーだ。MF栗山陸(3年)が遠目からシュートを放つと同時に、松本はゴール前まで猛ダッシュし、クロスバーに当たった跳ね返りを冷静に押し込んだ。「あそこに来るのは分かっていた。シュートも抑えて打てたのが良かった」と振り返るゴールによって試合を振り出しに戻すと、後半のCK大阪は高い位置でボールを奪う場面が増加。松本自身も3列目からパスで攻撃のタクトを振るいつつ、機を見てはPAに顔を出した。
後半14分には、左から上がったDF下川太陽(2年)のクロスに素早く反応。PAの手前にこぼれたボールを左足で狙ったが、枠のわずか右へ逸れた。以降も、チームとして見せ場を作ったが、2点目は奪えず。松本は「1点しか決めれていないし、アシストもしていない。今日もシュートが少なかったので、もとゴールを意識して点が獲れるボランチになりたい。カウンターはチャンスになるので、もっとスプリントをして、攻撃に厚みを加えれたらと思う」と反省を口にした。
引き分けに持ち込んだ喜びよりも、勝てなかった悔しさが強い試合ではあったが、開幕戦から松本が見せるプレーには、確かな成長を感じる。今季は、U-23チームに加わることが多く、4月1日に行われたJ3第5節、FC東京U-23戦では途中出場でJデビューも果たした。わずか7分間の出場だったが、Jでの経験は成長を後押ししており、「J3だとスピードがもっと速くて、練習から全然違う。U-23でもやることで、速さの面で余裕が生まれたし、昨年と比べて周りが見えるようになったので、冷静にプレーできるようになった」。村田監督も成長を認めており、「U-23でずっとやらせてもらっていたので、スピード感や感覚が違う」と口にする。
2年生ながら、すでに中心選手としての自覚も十分。「もう2年なので、昨年みたいに先輩に引っ張ってもらうんじゃなくて、自分が試合を引っ張っていかないといけない。厳しいことを言ってしまうこともあるけど、それでも声をかけていこうと意識している」と口にするように、年上に対しても物怖じせず、注文できるのも彼の魅力だ。ここから、チームを上昇気流に乗せることができるか。今後はより、松本のプレーから目が離せない。
(取材・文 森田将義)●2018高円宮杯プレミアリーグWEST特集
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