[MOM521]早稲田大FW武田太一(3年)_G大阪ユース最強世代で感じたプロとの距離感
ゲキサカ / 2018年4月18日 18時35分
[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.14 関東大学L1部 筑波大2-3早稲田大 味フィ西]
チームのために必死にプレーした。先制を許した直後の前半45分、右サイドからFW武田太一(3年=G大阪ユース)を目がけクロスが上げられる。自分より後ろに上がったボールを右足かかとに当てて押し込む。アクロバティックなゴールは、彼の能力を示すのに十分だった。
さらに後半23分にはMF岡田優希(4年=川崎U-18)からのボールを左足で蹴り込んで筑波大を突き放す。1部リーグ初ゴールを含む2発で勝利に導いた武田だが、「(初ゴールは)追いかけているシーンだったので、決めても追いつけたと思っただけで、特別感はなかった。両方のゴールに言えますが、味方が運んできてくれたおかげです」と謙遜した。
大阪府出身の武田。小学校1年生で最初はラグビーを始めたが、「体が大きかったのであまり相手がいなかった」ことで、小学校2年生に上がるとサッカーに転向。その後中学卒業までを枚方FCでサッカーに打ち込んだ。
高校に上がると同時にガンバ大阪ユースに入団。ただ同世代は中学時代に史上初のジュニアユース3冠を達成した世代で、現在トップチームでプレーするMF市丸瑞希やDF初瀬亮、FW高木彰人が同学年。1学年上にはMF井手口陽介(クルトゥラル・レオネサ)、1学年下にはMF堂安律(フローニンゲン)とそうそうたるメンバーがいた。
「えぐい世代。すごくレベルが高かった」
当初は面を食らうこともあったが、高校3年生の時にはプレミアリーグで8得点を決めてチーム得点王になった。しかしそこで感じたのはやはり“プロとの距離感”。世代別代表でも中心選手として活躍する同僚がいたからこそ、自分の現在地を確かめることが出来た。「堂安なんかは違いが分かりやすかったですね」。
トップ昇格できず、大学進学を決めた時も「レベルの高いところで」と考えた。G大阪ユースからは関西大や関西学院大といった関西の強豪に進むことが多いが、「プロになること。注目度も違うと思うので」と関東の大学に進学することを決意。G大阪ユースから早稲田大には過去に竹谷昂祐氏(現名古屋U-18コーチ)が進んでいるが、スポーツ推薦で進むのは武田が初だった。
「1年から出るぞと思っていたけど、降格が決まった桐蔭横浜大戦が初めてのベンチ入りでした。去年は2部で2点決めたけど、やっと3年で1部で初ゴール。開幕戦でゴールが取れなかったことは納得いかなかったので、今日は絶対に取ってやろうと思っていた。自分のゴールで勝てたのは嬉しいです」
目標はあくまでも「プロになること」。そのためには結果で示し続けていく必要がある。「自分の中で1試合1ゴール1アシストというのがある。自分が点を取って勝たせるというのはブレさせずに、周りの点にも絡むことをやっていきたい」。ユースで感じたプロとの距離感を少しでも縮めるための、武田の日々の奮闘は続く。
(取材・文 児玉幸洋)●第92回関東大学L特集
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