世界217位の大富豪、英『サッカーの聖地』を1200億円で購入へ
ゲキサカ / 2018年4月27日 12時2分
「サッカーの聖地」と呼ばれるウェンブリー・スタジアムが、民間オーナーに売りに出される可能性があるようだ。イギリスメディア『BBC』は26日、スタジアムを所有するイングランドサッカー協会がオファーを受け取ったと報じ、公式ツイッターでは「外国資本の手に渡ってもいいのか」と問いかけている。
ウェンブリーはイングランド・ロンドン市内に位置し、収容人員9万人という大型スタジアム。古くは1923年に開場を迎えたが、老朽化のため2007年に再び新築。イングランド代表がメインのスタジアムとして利用しているほか、国内杯の決勝など由緒ある試合に使われ、トッテナムやアーセナルなどの近隣クラブが代替開催を行うこともある“聖地”だ。
記事によると、購入オファーを出したのはイングランド2部(チャンピオンシップ)に所属するフルハムのオーナーを務めるシャヒド・カーン氏。スタジアム本体のほか、ホスピタリティ施設の運営費なども含め、合計8億ポンド(約1200億円)を支払うとされている。FAは26日、このオファーに対する会合を開き、前向きな議論を行ったようだ。
パキスタン系アメリカ人のカーン氏は、自動車部品の製造で富を築いた67歳。かつてはアメリカンドリームの体現者として『フォーブズ』誌の表紙特集に登場した経験を持ち、2018年の同誌では世界で217番目、アメリカ国内では73番目に裕福な大富豪であるとされている。
スポーツ界への関心も強く、13年にはフラムの経営権を取得。一時は2部で低迷する兆しがあったクラブを建て直し、今季はプレミアリーグ昇格争いにまで育て上げている。もっとも、フラムは「本件はクラブとは独立している問題だ」という声明を発表。現在はロンドン西部にクレイブン・コテージをホームスタジアムとしているが、本拠地を移すつもりはないという。
すなわち、カーン氏の目的は別にある。同氏は11年からNFLのジャクソンビル・ジャガーズのオーナーも務めているが、13年からはロンドン市内でのホームゲームを実施。オーナー契約は20年までとなっており、関係を強めるためのものと見られている。とはいえ、この地を愛するサッカー界への影響も必至。“聖地”を取り巻くビッグ・ディールには今後も注目が集まりそうだ。
●プレミアリーグ2017-18特集
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