[MOM2489]成徳深谷MF佐藤蒼太(3年)_決勝PK弾、緊急SB起用…2冠の“挑戦者”率いる大黒柱
ゲキサカ / 2018年4月30日 20時39分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.30 関東高校大会埼玉県予選決勝 成徳深谷高 1-0 立教新座高 埼スタ第2]
「このチームはゼロで抑えられれば勝てる」「優勝してもチャレンジする側だと思っている」――。成徳深谷高のMF佐藤蒼太主将(3年)は決勝戦の試合後、県内2冠を果たした強さの秘訣を明かした。組織をまとめる精神的支柱だが、プレーでの貢献度もチーム随一。指揮官も認める大黒柱は創部以来初の『県外公式大会』に向け、「楽しみな気持ちが強い」と意気込んでいる。
2月に行われた県新人戦を初めて制し、2冠目をかけて臨んだ今大会。実力が本物であることを証明する“防衛王座”をたぐり寄せたのは、主将の右足だった。前半31分、DF長谷玲央(3年)のロングスローに飛び込むと、ボールをキープしようとした相手が転倒してハンド。そこで迷わずPKのキッカーに立った。
「キッカーは決まっていないんですが、今日は自信があったので自分で蹴りました」。力強く振り抜いた右足はボールを真っ直ぐに叩き、相手GKが反応できない速度でゴールイン。真っ先にスタンドで応援する控えメンバーの元に走り寄り、ハイタッチで先制点を祝った。「決勝という舞台で取ることができて良かった」(佐藤)
後半15分には、DF山田宏心(3年)の負傷で左サイドバックにポジションを変えた。本人は「裏を取られたり、ヘディングで競り負けたり、ピンチになることがあった」と満足しない様子だったが、最終ラインのアクシデントが試合の大勢に影響を与えなかったのはさすが。為谷洋介監督も「ピッチ内にスタッフが入っているようなもの」と大きな信頼を寄せているようだ。
創部以来、一度もなかったタイトルを2度も獲得し、6月には初めての関東大会に参戦する。「先輩たちが出たことがないので、楽しみな気持ちが強い」と素直な気持ちも示しつつ、「自分たちより強いチームがほとんど」と謙虚さは忘れず。「チャレンジ精神を忘れないでがんばりたい」と、チームを体現するメンタリティーは王者になっても引き継ぐ構えだ。
先輩方から受け継ぐ横断幕に『青き炎のイレブン』と記されている成徳深谷だが、その伝統に新たな歴史を刻む主将の名は“蒼太”。「強いチームには負けられないという気持ちをみんな持っている」という闘志をメラメラと燃やし、「全国に出ないと意味がないので、そこで勝てるチームにする」という目標に立ち向かっていく。
(取材・文 竹内達也)
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