四中工撃破にも慢心無し。伊賀白鳳が逆転での三重決勝L2位以内、“全国初出場”目指す
ゲキサカ / 2018年5月22日 19時54分
[5.19 総体三重県予選決勝リーグ第1節 三重高 2-2(PK6-5)伊賀白鳳高 三重交通Gスポーツの杜 鈴鹿]
「自分たちの良さは出せたかなという手応えがある。次に繋がる試合だった」。伊賀白鳳高の下田祐輔監督はPK戦の末、三重高に敗れた決勝リーグ初戦について、そう振り返った。
個々の良さが上手く合致している印象の伊賀白鳳は序盤からFW藤岡翔太(3年)とFW津野充都起(3年)の強力2トップを中心とした攻撃。スピードとセンスのある藤岡とボールの収まる津野のレフティー2トップへ左利きの司令塔・繁田晃喜(3年)やMF三井錬(3年)が配球し、チャンスを作り出していた。
そして33分には中盤でボールを奪うと、繁田が巧みな切り返しでDFを外し、DFラインとGKの間へループパス。これに走り込んだ津野がDFの前方で上手くボールに右足を当てて先制ゴールを奪った。
後半は三重にボールを支配され、18分に追いつかれたものの、前線からのプレッシングでボールを奪って決定機を作り出す。そして25分、カウンターから右サイドを駆け上がったMF吉田雄太(3年)がグラウンダーのクロス。ニアで藤岡が潰れ、最後は津野が右足で勝ち越しゴールを決めた。
再び追いつかれ、PK戦では6人目、7人目が失敗して敗戦。だが、CB嶌本武蔵(3年)が抜群の高さを発揮し、PK戦ではGK福留海音(3年)が1本ストップするなど、それぞれが良さを出した試合でもあった。
伊賀白鳳は選手権出場12回の古豪・上野工高と上野農高、上野商高が統合し、09年4月に開校。今年のインターハイは地元・三重開催で出場枠が2枠あるだけに、新しい伊賀白鳳の名を全国に知らしめるチャンスだ。「(地元インターハイについては)彼らが1年生のときから言い続けてきた。これに合わせてきたことが良いプレーに繋がっている」と指揮官。2回戦では下田監督の母校である名門・四日市中央工高を破り、全国にインパクトを残したが、選手たちはそこで満足することなく、上を目指してきた。
この日は2連覇中の王者・三重を苦しめながらも敗戦。だが、「下を向いている暇はない。2回勝つしかない」と下田監督が話すように、ここからもう一度切り替えて“逆転”での2位以内浮上、そして伊賀白鳳として初の全国切符獲得を目指す。
(取材・文 吉田太郎)●【特設】高校総体2018
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