交代出場の2年生FW波多野が2発!名古屋が愛知決勝リーグ初戦制す
ゲキサカ / 2018年5月27日 7時29分
[5.26 総体愛知県予選決勝リーグ第1節 名古屋高 2-0 名経大高蔵高 グリーングラウンド刈谷]
平成30年度全国高校総体「2018彩る感動 東海総体」サッカー競技の愛知県予選は26日に、決勝リーグ第1節を実施。名古屋高と名経大高蔵高の一戦は、FW波多野裕貴(2年)の2ゴールによって、名古屋が勝利した。
「全国に出たいという思いはどこよりも強い」。主将のDF杉本遥平(3年)が、そう意気込む名古屋が5年ぶりの全国大会出場に一歩前進した。
2点差をつけての勝利だったが、試合展開は決して楽だったとは言えない。先にチャンスを作ったのも、2年連続でのインターハイ出場を狙う名経大高蔵だった。「技術が高くて、度胸がある」(島井雅也監督)MF岩松虎徹(1年)を中心にボールを保持し、トップ下の守永翔貴(3年)や右の田中亨(3年)が思い切りの良い突破を見せると、前半5分には左サイドの崩しから守永がシュートを放った。
幸先の良いスタートを切った名経大高蔵だが、「リスクを冒さないまま、まったり試合が進んだ。中盤よりも前の選手がもっと落ち着いてボールをおさめてくれたら違った内容になったと思う」と島井監督が悔んだように2度目のチャンスが作れない。
対する名古屋も「特殊なリーグ戦で、失点の重みが大きいので、攻撃に出づらかった」(山田武久監督)。それでも、MF出身で「ゲームが作れる」(山田監督)左SBの常盤遼太朗(3年)と前への推進力のある右SBの立本子龍(3年)を起点に好機を演出すると、16分には常盤の縦パスから、FW林拓磨(3年)がGKとの1対1の場面を作る。ただし、このシーンはカバーした名経大高蔵DFが阻止。「60分はお互いに寝てたので、残り20分だけで良かった」と名古屋・山田監督が振り返ったように、以降は見せ場が少ないまま時計の針が進んだ。
試合が動いたのは、PK戦が見え始めた終盤になってから。名古屋は「PKだけはどうしても避けたかった。向こうが攻め始めて、試合が動くかなと思った」(山田監督)タイミングで、波多野ら5人を次々に投入。前半は孤立しがちだった林を支える形で厚みのある攻撃を仕掛け、前がかりになった相手の隙を狙いに出た。
すると、32分に中央でボールを持った林がゴール前に浮き球を展開。走り込んだ波多野がGKの頭上を射抜くループシュートをゴールネットに沈めた。40+3分には、途中出場のMF松永希成(3年)、林と繋いだボールを波多野が再び決めて、2-0でタイムアップ。勝利の立役者となった波多野は、「緊張と決めないといけないという責任感があった。泥臭くてでも良いからゴールを獲りたいと思っていたけど、まさか2点目も決められるとは思っていなかった」と笑顔を見せた。
昨年からの主力が半分近く残る名古屋は、「面白い選手が揃っている」と山田監督が胸を張るように全国への手応えは十分だ。県3冠を目指し、キャプテンの杉本を中心に試合前と試合後のミーティングを欠かさず実施。繋いで崩すサッカーを実行するために、細部にまで拘り、意思統一をしてきた。
成果はすぐさま表れ、2月には新人戦で一つめのタイトルを獲得。チームとしての成長も著しく、「勢いだけだった」(山田監督)5年前のインターハイ初出場時とは違い、今年は「事故で点を獲るようなサッカーではなく、今はちゃんとボールを握りながら点が獲れる」(山田監督)と内容も充実している。初戦敗退で終わった5年前のインターハイからの成長を全国に示すためにも、まずは残りの2試合を全力で勝ちに行く。
(取材・文 森田将義)●【特設】高校総体2018
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