選手権予選に続く駒澤大高撃破に大興奮!多摩大目黒が東京8強入り!
ゲキサカ / 2018年6月12日 15時35分
抜け出した陸野は巧みにDFの背中を取ってボールを運ぶと、GKの位置を見極めて右足を一閃。ボールはGKの頭上を超えてそのままゴールネットに吸い込まれた。次の瞬間、倍以上の数の駒大高応援団に声で対抗していた多摩大目黒の控え部員たちが、一斉に応援席から飛び出す。向かってくる“青い波”に背番号11が走り込むと、ピッチサイドは興奮のるつぼと化した。
駒大高はすぐに反撃に移るが、多摩大目黒はカウンターで相手をひっくり返して1度、2度とビッグチャンスを作り出す。そして40分、多摩大目黒は相手CBとGKとの連係ミスを突いた秋山が、強引に間へ割って入って右足シュートを放つ。ポストを叩いたボールを自らゴールに押し込んだ秋山は、「応援してくれる人たちがいるので、その人たちのために決めました。全国行けるように頑張ります!」。再びピッチになだれ込んできた仲間たちとともに喜びを爆発させた。
駒大高も44分に交代出場のDF小林慎治(3年)が右足ミドルをゴールに突き刺して1点差。だが、再開直後に試合終了の笛が鳴る。多摩大目黒はピッチの選手、ベンチ、そしてスタンドも一体となってインターハイ予選では初となる東京8強入りを喜んだ。
多摩大目黒は「紙一重のところにボールが転がってくる。見えない力を引き寄せられるように、細部にこだわってやろう」という遠藤監督の下、練習・日常生活に取り組んできたという。そのこだわりが大一番で紙一重の白星を引き寄せた。
新チーム発足当初は結果も内容も安定しなかったチームは少しずつ成長。指揮官は「3年生にリーダーとしての自覚が出てきた」と目を細めていたが、メンバー外の選手たちが自主的に応援練習を実施するなど、それぞれが自分にできることを全力でやり切って歴史を変えた。だが、昨秋の選手権予選では駒大高を破った次の試合で敗退。選手たちはその悔しさを忘れていない。陸野は「次、その次も勝たないと全国に行けない。絶対に勝ちたい」ときっぱり。V候補の一角を突破した新鋭が激戦区・東京を勝ち抜いて、全国のピッチに立つ。
(取材・文 吉田太郎)●【特設】高校総体2018
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