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ジダンを超えられるか! フランスのストライカー・ジルの葛藤

ゲキサカ / 2018年6月22日 20時0分

192cm、88㎏。オリビエ・ジルの容姿は男女問わず、人気がある

 後半ロスタイムを過ぎても、ゴールを狙う意欲だけは衰えなかった。1-0のまま迎えた試合終了直前、FWオリビエ・ジルは左サイドからペナルティーエリアに侵入し、一人かわす。あわてて追いすがるペルーの守備陣3人を振り切って左足シュートを放った。ネットは揺らせなかったが、FWアントワーヌ・グリエーズマン、FWキリアン・ムバッペの攻撃陣がすでにベンチに下がっていただけに、ジルの存在感は余計に際立った。

 英BBCによると、ディディエ・デシャン監督は試合後、こうコメントした。
「ノックアウトステージに進めたことは満足している。後半は前半よりタフな戦いになった。前半は攻撃に流動性があったが、後半は硬かった。守備というのは、守備陣だけで成り立つわけではない。攻撃陣が、より全体の陣形をコンパクトに保とうと献身的に走ることで成り立つ。前半は、後半よりその(攻撃陣の)献身的な守備によってボールを拾えていた」

 指揮官は、得点シーンをあまりクローズアップしなかったが、それでも前半34分のムバッペのゴールがなければペルー戦の勝利は語れない。しかも、決勝ゴールを実質「アシスト」したのはジルだった。

 MFポール・ポグバが相手ボールを奪うと、すぐにエリア内にスルーパス。鋭く反応したジルがダイレクトで左足を振りぬくと相手選手にブロックされたが、ゴール前に走りこんでいたムバッペの目の前に、運よくそのこぼれ球が来る。ムバッペは右足で押し込むだけでよかった。

 FIFAはこの試合の「マン・オブ・ザ・マッチ」にムバッペを選んだが、BBCはあえてジルを「マン・オブ・ザ・マッチ」に選定した。紙面上でジルがフィールド上のどの場所でボールを受けたか、その分布図までわざわざ掲載。ペナルティエリア内より外でボールに触っていることがひと目でわかる。

「ペナルティエリアの外側でボールを受けることによって、彼の仲間たちがエリアの中に入ってプレーすることができた」とポストプレーヤーとしてのジルの献身性を評価したのだ。

 ジルはW杯本番を迎える直前の5月28日、アイルランド代表戦との親善試合で代表31得点目を奪い、フランスが誇るかつての名選手、ジネディーヌ・ジダンに並び、歴代4位に浮上した。

「チャンスは決して多くなかったので、個人的にはうれしい。(W杯には出場しない格下相手に)私たちはもっと圧倒しなければいけなかった」

 ジダンを超えるには、自分がゴールを決めたい。でもチームの勝利のためには、ジルが前線で「つぶれ役」となり、ムバッペやグリエーズマンといったゴール感覚を持つ若い攻撃陣にスペースを与えたい。ゴールを奪うだけがFWの仕事ではない。個人的なエゴを胸にしまう31歳は、20年ぶりのW杯制覇をめざすフランス代表にとって、欠かせないピースとなるはずだ。
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