“怒涛の3分間”で3発!選手権覇者・前橋育英が冬夏連覇へ群馬突破!
ゲキサカ / 2018年6月17日 20時16分
だが、前橋育英も追撃を許さない。この日、守備面での健闘が光った司令塔・MF秋山裕紀(3年)やMF渡邉が相手キーマンの田中をケア。また、FW石井陽向(3年)や室井、高橋尚が中心になって前線からのプレスを継続し、最終ラインでは中央のCB岡本悠作(3年)とCB吉田和暉(3年)や若月が狙いを定めて相手のボールを奪っていく。山田耕介監督が「3-0なのになぜ慌てるのか。ゆっくり回せる」と指摘したように、攻撃面ではやや急ぎすぎていた感がある。だが、後半も高橋や室井が抜け出しから相手ゴールを脅かすシーンを作り出していた。
桐生一はCB中野就斗主将(3年)らが奮闘を見せていたが、1点が遠い。スピードあるMF楠大樹(3年)に加え、終盤は存在感を増した若月が相手のわずかな隙を突いてゴールに迫っていた。だが、GK山口瞬(3年)の守る前橋育英ゴールを破ることはできず。前橋育英がBチームで臨んだ関東大会予選に続く群馬2冠を達成した。
前橋育英はBチームでの出場ながら関東制覇を果たした関東高校大会(6月、群馬)から複数の選手がAチームに食い込んだ。今回の決勝戦では石井、渡邉、塩田、吉田の4人が先発出場し、優勝に貢献。山田監督は「関東大会はずっと見てて、良い。(今は)誰が出てもいい感じ」と新戦力の台頭、選手層の向上を喜ぶ。若月も「関東組が加わってくれて一層、誰が出るか分からなかったり、危機感も生まれている。そこは(主力の壁が厚かった)去年と違っていいところかなと思います」と競争激化の効果を口にしていた。
8月のインターハイでは選手権に続く日本一を勝ち取ることができるか。昨年のインターハイは準決勝で流通経済大柏高に0-1で敗戦。高橋尚が自ら獲得したPKを止められるなど、悔しい敗戦となった。昨年超えへのモチベーションは高い。若月は「(高橋)尚紀もこの大会に懸けている。自分たちもまず先輩越えたいというのがある。インハイまで1か月あるのでしっかりやっていきたい」と力を込め、昨年のインターハイでブレイクした榎本も目標に「優勝」を掲げた。選手権初優勝からメンバーが入れ替わり、今年は順風満帆のスタートを切れた訳ではない。それでも悔しい思いを経験したチームは全国屈指の激しい競争を経て成長。8月までに、さらに個とチーム力を高めて、冬夏連覇に挑戦する。
(取材・文 吉田太郎)●【特設】高校総体2018
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