悩んだ時期もあった前橋育英DF若月主将、相談してきた前主将・田部井に「いい報告ができる」
ゲキサカ / 2018年6月17日 22時59分
[6.17 総体群馬県予選決勝 前橋育英高 3-0 桐生一高 前橋総合]
「春先はチームとしてなかなか勝てなかったりして相談したりしていた。これで一つ、いい報告ができると思います」。インターハイ出場を決めた前橋育英高の右SB若月輝主将(3年)はホッとした表情を見せていた。
歓喜の選手権初優勝から1か月で迎えた2月の県新人戦決勝で、前橋育英の新チームは公式戦初黒星(対桐生一高、0-1)。けがを抱えていた選手がいたことも確かだが、退場者を出して10人で戦う相手を最後まで崩せずに悔しい敗戦となった。4月のプリンスリーグ関東も連敗スタート。結果が出ないこと、そしてチームのまとめ方に悩んだ若月は、日本一軍団の主将を務めたMF田部井涼(現法政大)に相談したのだという。
田部井はピッチ内でチームを鼓舞し、ピッチ外でも各選手に気を配りながら声がけ。個性の強い選手たちを一つにまとめつつ、自らも印象的なプレーでチームを引っ張り、選手権初優勝へ導いた。その田部井からアドバイスされたことは“自分の真似をしなくていい”ということ。若月は「『それぞれタイプは違うんだよ』と言われたので安心してやっています」と振り返る。
自分のできることに集中した。「自分と涼さんはタイプが違う。自分にだけできることや、誰にもできることがあると思うので、そこは色々と聞き出して、自分で工夫してやりました。試合中あまり声出したり、鼓舞したりするのは正直、あまり得意なことではありません。普段から練習の時に声を出したりとか、身の回りで気づいたことを自分がやることで引っ張っていくタイプだと思っている」。
田部井は若月が悩みすぎてしまうことを心配していたが、自分なりの主将像を見つけた若月は仲間たちの協力を受けながら、徐々に自分らしくチームをまとめ、プリンスリーグ関東での巻き返しや関東高校大会優勝、インターハイ予選優勝という結果に結びつけている。
この日、先輩たちに続いてインターハイへの出場を勝ち取った。若月は右SBの位置からピッチを見渡して状況を把握し、気の利いたプレー。桐生一の俊足MF楠大樹に対応しつつ、味方にできかけた穴を埋めて完封勝利に貢献した。優勝をチームメートたちと喜んだ後、「(田部井に)いい報告ができる」と語った若月は、先輩たちが成し遂げられなかった夏の全国制覇にチャレンジし、前主将にまた「いい報告」をする。
(取材・文 吉田太郎)●【特設】高校総体2018
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