「最後は倒れそうだった」死力尽くした原口、“相棒”と歓喜の抱擁
ゲキサカ / 2018年6月20日 3時39分
[6.19 ロシアW杯グループリーグ第1節 日本2-1コロンビア サランスク]
試合終了の瞬間、日本代表MF原口元気はピッチに膝をつき、両拳を握りしめた。右サイドで縦関係を組んだDF酒井宏樹と抱き合う目には光るものもにじんでいた。W杯デビュー戦で90分間走り抜き、歴史的な1勝に貢献した。
攻守にハードワークした。決定的な場面で攻撃に顔を出す回数は決して多くなかったが、献身的なディフェンスを見せ、後半33分のピンチには体を張ったシュートブロック。走行距離10.158kmは、DF長友佑都に次ぐチーム2番目の数字だった。
「すごくきつかったし、それが報われてよかった。最後の5分間は倒れそうだった」。疲労困憊になりながらも、その汗は心地良かった。「自分の仕事をやり抜いた結果、何かをしたわけではないけど、チームが勝ち切ったことは良かった」。ゴールやアシストという目に見える結果こそなかったが、そのハードワークと献身性は見る者の心を打った。
「初めての(W杯の)試合で特別な雰囲気はあったし、(試合に)入れてないわけじゃないけど、緊張感はあった。相手のサイドバックとガチャガチャやり出してから自分の良さが出てきたかなと思う」。前半は右サイドに開いて張っていたが、後半は中に絞り気味にポジションを取り、酒井宏のオーバーラップを促した。
「ハーフタイムに『中に行って(酒井)宏樹を上げろ』という指示もあったし、うまく修正できた」。後半28分の決勝点につながるCKを獲得したのは、攻撃参加してきた酒井宏のシュートだった。タイムアップのホイッスルが鳴ると、原口がガッツポーズする横で、酒井宏はピッチに仰向けに倒れ込み、両手で顔を覆っていた。ともにこの日がW杯初出場だった右サイドコンビ。死力を尽くした末の金星の喜びをかみ締めた。
(取材・文 西山紘平)
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