“各駅停車の伝達”が奏功、麻也「前回大会の反省を踏まえて…」
ゲキサカ / 2018年6月20日 4時34分
[6.19 ロシアW杯グループリーグ第1節 日本2-1コロンビア サランスク]
前半6分という早い時間帯の先制点と相手の退場。数的優位な中で失点しながら、1-1で迎えた後半の勝ち越しゴール。しっかりとゲームをコントロールした上で日本代表は勝利をおさめた。その主軸にはDFリーダーのDF吉田麻也(サウサンプトン)がいた。
最大の勝因は何かと聞かれると、「一つをピックアップするのは難しいけど」と前置きしたうえで、まずは「相手が退場して、PKを取れて、得点できたというラッキーな部分もある」と説明。続けて「前回大会では先制して受け身になってしまったところで、強気にいったところ」を挙げた。
14年ブラジルW杯グループリーグ初戦。コートジボワールを相手に前半16分にMF本田圭佑のゴールで先制したあとに重心が低くなった日本は、後半の2失点で屈辱の逆転負けを喫した。吉田は4年前を引き合いに出し、「前半は少し引き気味になったけど、後半は良くなった。同点になってからもう一度点を取りにいったのが良かった」と分析した。
素晴らしかったのは1-1で迎えた後半のゲーム運びだ。相手は10人。勝ち越しを狙うべきか、勝ち点1でも良しとするか、ピッチ内の意思統一を保つのはたやすくない。しかもスタジアムの大半を占めるコロンビアサポーターの声には迫力があり、指示の声はかき消される。しかし、経験豊富な西野ジャパンのメンバーは事前に対策を練っていた。
「前回大会の反省を踏まえて、声が伝わりづらい、指示が伝わりづらい、コミュニケーションを取りづらいのは分かっていたので、“各駅”で僕からハセさん(長谷部)と(柴崎)岳に伝えて、前へ伝えた。僕から乾とか(原口)元気に伝えるのは難しいので。それがうまくできたのかなと思う」
悔しさばかりが胸を衝いた前回大会から4年。自身2度目のW杯で初めて得た勝利には「長かったなと本当に思う。すごくうれしかった」とかみ締めたが、この日は試合後に無作為抽出のドーピング検査に当たったことで、チームメイトと喜ぶことができなかった。
「本当はみんなと喜びを爆発させたかったけど、ある意味、客観的に試合を振り返って、次に向けての考えもできた。これも何かのメッセージかな。次も勝ってみんなと喜びたい」。そう言って急いでスタジアムをあとにした。
(取材・文 矢内由美子)
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