[プリンスリーグ東海]選手権へ向けてリスタートした2校の戦い、帝京大可児が逆転勝ち!
ゲキサカ / 2018年6月24日 14時27分
[6.23 高円宮杯プリンスリーグ東海第6節 中京大中京高 2-3 帝京大可児高 構口論義運動公園サッカー場]
高円宮杯JFA U-18サッカープリンスリーグ東海2018の第6節が23日に行われ、中京大中京高(愛知)と帝京大可児高(岐阜)が対戦。試合終了間際に奪ったMF網中神(3年)のゴールによって、3-2で競り勝った帝京大可児が今季3勝目をマークした。
ともにインターハイ予選で敗れ、冬に向けてリスタートを切ったチーム同士の一戦は中京大中京ペースで試合が進む。キックオフと同時に後方からFW山崎泰雅(3年)と北野祐己(2年)目がけたロングボールを多用して帝京大可児を押し込むと、前半7分にはDF安藤響己(3年)が前線へフィード。北野の胸トラップから、山崎がゴールを狙ったが枠を捉えることができなかった。
主将のMF佐竹秀太(3年)が「相手が蹴ってくるのは分かっていたけど、雨でボールが伸びて、前半はきつかった」と振り返った帝京大可児だったが、27分には相手の隙を突いて、チャンスを演出。相手DFの背後を飛び出した佐竹が倒されPKを獲得すると、MF原田遥平(3年)が冷静に決めて試合を動かした。先制したまでは良かったが、ここからは守備が乱れ、38分にPKで山崎に同点弾を与えると、後半2分にはMF清水郁弥(2年)のパスから北野に逆転ゴールを許した。
追いかける展開となった帝京大可児だが、選手とベンチに焦りは見られない。運動量が落ち、プレスが効かなくなかった中京大中京を持ち前のパスワークで攻略するとともに、「本来ならスタートで使える二人」(堀部直樹監督)というMF野村俊介(3年)と冨田仁志(3年)を投入した。二人を中心としたコンビネーションからサイドを崩すと、36分には野村が中盤の混戦から前方にパスを展開。相手GKが素早くPAを飛び出してクリアに向かったが、冨田がスライディングでゴール前に繋ぐと、最後は佐竹が無人のゴールネットを揺らした。
同点ゴールで勢いに乗った帝京大可児は、以降も「粘って勝てるゲームが今年はほとんどない。試合終盤になると守備がバタバタして崩れてしまう」(岡山哲也監督)悪癖が露呈した中京大中京を攻撃で圧倒した。試合終了間際の45+1分には、右サイドをグループで崩し、冨田が上げたクロスを網中が頭で合わせて、勝ち越しに成功。直後にタイムアップを迎え、3-2で勝利した。
インターハイ予選で3連覇を目指した帝京大可児だったが、野村が「まさかあそこで負けると思っていなかった」と振り返るように、各務原高に0-1で敗れ準決勝で涙を飲んだ。県内3冠の目標は途絶えてしまったが、「ゴール前での粘りや、チャンスを決めきろうとより意識するようになった」と野村が口にし、堀部監督も「(各務原戦は)チャンスはあったけど、決めてやるという気持ちが足りなかったし、試合に対する気持ちの準備も足りなかった。でも、負けを機に“やってやる”という気持ちが増えてきたから、こうやって勝ちにも繋がった」と続けたように選手に変化が生まれたのは収穫だ。
もう一つの目標であるチーム史上初の選手権16強入りを果たした昨年の先輩たちを超えるための準備もチームに好影響を及ぼしている。堀部監督が「選手が、『誰が試合に出るの?』と思うくらい練習から競争が出来ている」と口にするほど、厚い選手層が今年の特徴だが、一人ひとりの体力作りにも着手。これまで少なかったサイドからのクロスも増やすなど、全国で上位になるための戦い方がハマった場面がこの日も随所で見られた。
取り組みを無駄にしないためには、選手権は県で負けるわけにはいかない。堀部監督が「(インターハイ予選で)負けたことを良い方に持っていくしかない。選手も苦しい想いをした分、負けたくないと思っていると思う」と話すように、プリンスリーグで長所に磨きをかけながら、リベンジの準備を進めて行く。
(取材・文 森田将義)●2018高円宮杯プリンスリーグ特集
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