[プリンスリーグ中国]注目SB西原が攻守に存在感。巻き返し期す広島皆実が立正大淞南を4発撃破
ゲキサカ / 2018年6月30日 22時12分
[6.30 高円宮杯プリンスリーグ中国第7節 広島皆実高 4-1 立正大淞南高 広島皆実高G]
高円宮杯JFA U-18サッカープリンスリーグ中国2018の第7節が30日に行われ、9位の広島皆実高(広島)と2位の立正大淞南高(島根)が対戦。MF疋田勝人(3年)の先制点を皮切りに4点を奪った広島皆実が4-1で勝利した。
前年王者ながら、開幕から5試合で奪った白星はわずか1つ。連覇のために巻き返しが欠かせない広島皆実が今後に弾みがつく快勝を手にした。インターハイ予選による中断までは毎試合、先制点を許し、追いかける展開を強いられたが、前節の作陽高(岡山)戦からは「前からプレスをかけて、守備の意識を持って入ることを徹底した」(MF堤太一、3年)。この日も高い位置からの守備で立正大淞南の攻撃を制限しつつ、堤が「サイドはドリブルが上手いのと、10番(FW藤井奨也)が競った裏を走ってくるのは分かっていた」と振り返るように、MF飯島弘清(3年)と大西駿太(3年)の両翼を2対1の状況で封じ、仕事をさせない。
立ち上がりに守備でリズムを作ると、ここから見せ場を作ったのが、攻撃性能十分な左SB西原広太(3年)だった。「負けっぱなしでまったく勝ち点が積めていない。前節もアディショナルタイムに追いつかれて勝ち点3拾えるところを1にしてしまったので、プレミア参入戦に行くために勝ちに拘って今日は試合をした」。そんな意気込みを示すかのように、開始から持ち前の左足キックで組み立てに関与しつつ、機を見ては高い位置まで攻め上がり、フィニッシュに絡んでいく。
すると、前半11分には速攻から左CKを獲得。「相手はまだスイッチ入っていないかと思っていた。あそこに蹴れば、誰かいるかなと思って蹴った」と振り返る西原のキックを疋田が頭で合わせて、均衡を崩した。1点を奪ってからは、「1対1で負けなければクロスを上げられることはない。攻撃から守備ではなく、守備から攻撃を意識していた」と課題の守備でも強さを発揮する。
仲本洋平監督が「1対1でほとんど負けていなかった」と称える守りで守備に安定感をもたらすと、39分には中盤左寄りでボールを持ったMF田中博貴(2年)のスルーパスから、西原が左サイドを攻撃参加。左CK付近からゴール前にパスを送ると、反対サイドから中に飛び込んだFW岡本拓海(2年)が押し込み、リードを広げた。
思うようにゲームを運べなかった立正大淞南も意地を見せる。前半終了間際の44分には、大西が奪ったPKを決めて、1点差に詰め寄ると、後半立ち上がりは「今まで勝ち慣れていなかったので、ハーフタイムにリードしていることに興奮していた」(仲元監督)広島皆実を攻め込んだが、同点ゴールは奪えず。冷静さを取り戻した広島皆実は、後半7分に高い位置でボールを奪ったMF前田和也(3年)が豪快に3点目をマークし、試合の流れを再び引き寄せた。ここからはこう着状態が続いたが、31分には途中出場のFW山根成留(2年)が4点目決めて、タイムアップを迎えた。
仲元監督が「インターハイ予選は勝てなかったけど、前節は岡山チャンピオンの作陽に引き分けて、今節は島根チャンピオンの淞南に勝てた。この経験を自信に繋げたい」と口にしたように、この2試合で掴んだ経験はチームにとって大きな価値を持つ。主将の堤は、「最初、プリンスで躓いてしまった分、前期の残り試合でしっかり勝ち点を拾って、連覇を目指したい。選手権でも広島のチャンピオンになって全国に勝負するという目標があるので、しっかりプリンスで経験を積んで良いチームに仕上げていきたい」とこれからの浮上を力強く誓った。
(取材・文 森田将義)●2018高円宮杯プリンスリーグ特集
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