『黄金世代』を超えた新生イングランド、目指すは“3世代”での世界制覇
ゲキサカ / 2018年7月8日 1時46分
[7.7 ロシアW杯準々決勝 スウェーデン0-2イングランド サマーラ]
2000年代の欧州サッカー界を盛り上げた『黄金世代』が届かなかった場所に、平均年齢26歳弱の新生イングランド代表がたどり着いた。準決勝進出は1990年のイタリア大会以来28年ぶり3回目。昨年は育成年代が猛威を振るったサッカーの母国が、再び世界の頂点を見据え始めている。
MFポール・スコールズ、MFデイビッド・ベッカム、DFソル・キャンベルの74~75年組。そしてDFリオ・ファーディナンド、MFフランク・ランパード、FWマイケル・オーウェン、DFジョン・テリー、DFアシュリー・コール、MFスティーブン・ジェラードの78~80年組。
2000年代のイングランド代表を支えてきたのは、上記の『ゴールデン・ジェネレーション』。日本の“79年組”とは趣を異にするが、10年間単位の『世代』という意味合いで付けられたネーミングだ。
だが、彼らの世界挑戦は決して満足のいくものではなかった。W杯での成績は常にベスト16からベスト8止まり。欧州選手権では08年に本大会への出場機会も逃すなど、大きな期待どおりの結果は一度も残すことができなかった。
そんな黄金世代の壁を、若き代表チームがついに破ってみせた。エースに君臨するのはFWハリー・ケイン、3バックを統べるのはDFジョン・ストーンズ、長年にわたる最後尾の弱点を埋めたのはGKジョーダン・ピックフォード。全員が1993~94年生まれの24歳だ。最年長の32歳MFアシュリー・ヤングが働き屋に徹しているのも“新生”の気風を高めている。
3-1-4-2の新システムも伝統との決別を示すものだが、何より脅威となっているのはゴール前で意図的に混戦をつくりだすセットプレー戦術。伝統的な競り合いの強さにテクニカルなポジショニングが相まって、ここまで11得点のうち大半の8得点を導いている。
今大会での快進撃を予告するかのように、昨年行われたU-20W杯、U-17W杯ではそろって優勝。選手育成には時間がかかるため、現代表チームへの好影響を信じ込みすぎてはならないが、「勝てるイングランド」を世界に見せた効果は少なくないだろう。そこで目指すは“三世代”でのW杯制覇。この目標を成し遂げた時、新たな『黄金世代』が誕生するのは間違いないだろう。
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