ブラインドサッカー日本代表のエース川村、「世界一の選手になる」。14日から南米遠征
ゲキサカ / 2018年8月12日 17時39分
2020年東京五輪パラリンピックでメダル獲得を狙うブラインドサッカー日本代表が14日からの南米遠征に備えた代表合宿を12日、打ち上げた。5月のベルギー遠征で3試合で11ゴールを奪い、日本代表として初の得点王にも輝いたFPのエース、川村怜(りょう)は2日間の合宿でも好調をキープ。体の軽快さに比例するように、口も滑らかになった。
「非常に楽しみです。今の自分が世界のトップにどれだけ通用するか、全力で試してきたい。個人的には世界一の選手になりたいと思っています。ピッチの中でも、ピッチ以外のところでも世界一の選手としてふさわしい行動をしたい。1点でも多くゴールして、チームを助ける姿をみなさんにお見せしたい」
14日から約10日間行われる南米遠征では、現地時間17、18日に最新の世界ランク2位のアルゼンチン代表、現地時間20、21日に同ランク1位のブラジル代表と対戦する。敵国ホームで開催するため、相手はフルメンバーで来ることが濃厚だ。7月中旬に閉幕したロシアW杯の優勝を争ったフランスとクロアチアと対戦するようなビッグマッチ。高田敏志監督が6月にスペインで開催された世界選手権に視察に出向き、両国のスタッフと何度もお茶をしながら頭を下げるひたむきな”ティー外交”で実現にこぎつけた。
日本代表はアルゼンチン代表とは過去3戦、ブラジル代表とは過去7戦し、1度も勝利したことがない。アルゼンチンにはまだ無得点、ブラジルに対しても川村と、ベルギー遠征は不参加だったもうひとりのエース、FP黒田智成がそれぞれ1点ずつしかあげたことがない。
「本気のブラジルと戦いたかったし、相手を脅かせるよう、1点でも多くゴールを狙っていきたい」と川村は鼻息が荒い。
現在、日本代表の最新の世界ランクは9位だが、ベルギー遠征で同5位のイランに勝つなど、確実に実力はあがっている。東京五輪で悲願のメダル獲得のため、2年前の現在の日本代表の立ち位置を知るためにこの遠征実現に執念を燃やした高田監督は「(川村は)蹴り方のバリエーションが増えてきた。東京では得点王になる可能性ある。彼が得点王になればメダルがとれると思っています。今回の遠征は、ただ試合をやって帰ってくるつもりはない。1回ぐらいハメて、世界を驚かせてきたい」
真夏の日本から冬の南米へ。王国を震わせる、日本代表の武者修行がまもなくはじまる。
(取材・文 林健太郎)
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