強豪大学相手に“裏インハイ“敢行して成長の西武台、負傷離脱の注目DF復帰まで勝ち続ける
ゲキサカ / 2018年8月29日 19時31分
5分、西武台は若谷の左FKのこぼれ球をFW谷直哉(2年)がバイシクルショットで決めて同点に追いつく。対する浦和南は12分にFW岡田竜哉(3年)のキープから佐藤が決定機を迎えたが、西武台GK高麗稜太(3年)がセーブ。すると直後の14分、西武台は対人守備で強さを発揮していた左SB佐野慧至(2年)の左ロングスローから、セカンドボールを拾った若谷が個人技でDF2人を剥がして右足で勝ち越し点を決めた。
浦和南はベンチスタートの10番MF大坂悠力(3年)らを投入して反撃。中道や鹿又、岡田らが分厚い攻撃を繰り出したが、西武台はPA手前で跳ね返して得点を許さない。逆にカウンターやMF浦上颯太(3年)、若谷の突破から3点目のチャンスを作った西武台はアディショナルタイムに右SB小室佳祐(3年)のクロスから交代出場のFW佐藤駿介(3年)がゴール。守屋保監督が「インターハイは受け身になってしまった。自分たちから立ち向かっていた時は彼らの良さが出る」と語っていたが、苦しい時間帯でも西武台は前向きに戦って白星を勝ち取った。
西武台の目標は激戦区・埼玉を突破して選手権に出場すること。そして、怪我で離脱した仲間とまたともに戦うことを目指している。8月の石川遠征で守備の柱・CBイディアゲリ康介(3年)が骨折。選手権予選準決勝や決勝に間に合うかどうかの状況だという。イディアゲリは大学生相手の“裏インターハイ”でも流経大主力組相手などに対して健闘。注目DFはここまでも怪我が多く、選手権への思いが一際強かったというだけに、その怪我はチームの雰囲気を重くした。
だが、下を向いていることはできない。関口が「(監督の)守屋先生も『イディのままだとイディ以上にはなれないから、イディがいないことで逆にイディ以上になる人が出てこいよ』と話していた。最後自分たちの選手権は全てを懸けて全力でやっていきたい」と力を込め、若谷は「切り替えないといけない。イディのためにもという気持ちでやっています」と語った。イディアゲリと選手権を戦うという目標をエネルギーに変えている西武台はこの日、CB松井豊(3年)やCB小川倭(3年)が気迫のプレーで勝利に貢献。さらに力をつけ、選手権予選で必ず勝ち上がって、イディアゲリとともに全国に出場する。
(取材・文 吉田太郎)●【特設】高校選手権2018
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