埼玉県が17年ぶりV!大野監督は「埼玉から世界」で戦う選手が多く現れることを期待
ゲキサカ / 2018年10月6日 15時0分
[10.4 国体少年男子決勝 埼玉県 1-0 石川県 テクノポート福井総合公園スタジアム]
「本当に選手が疲れている中で、最後まで自分たちがやろうとしていることを表現しようとしてくれた結果が優勝に繋がったのかなと思います」。埼玉県の大野恭平監督(大宮南高)は5連戦となった決勝で最後まで質の高いサッカーを目指し、戦い続けた選手たちを讃えていた。
これが埼玉県にとっては17年ぶりの国体制覇。4度目の優勝を果たした01年は静岡県と同点優勝で、3度目の優勝だった90年も千葉県との同点優勝だった。単独優勝は72年以来、46年ぶりという快挙。過去3年間、関東ブロック予選で敗退していた埼玉県にとっては、「復権」の日本一となった。
「まず選手の質が今年に関しては非常に高かった。各チームのスタッフ、うち(選抜チーム)のスタッフ含めて協力して頂いて、本当にやりすい環境を作ってくれた」と大野監督。昨年9月から本格的にチームづくりを進める中、熱意ある選手、スタッフたちはまとまりを高まっていった。
4大会ぶりに関東予選を突破し、出場した国体で大野監督は「優勝するために来ている」と繰り返していた。前回、埼玉県が日本一となったのは01年で、それは02年、もしくは03年生まれの選手たちの生まれる以前のこと。06年のU-16化後、埼玉県はベスト4進出もなく、近年は勝利の経験が少なかった。だが、今回は質の高い選手たちがMF柴山昌也(大宮ユース、1年)やMF須藤直輝(昌平高1年)を中心とした多彩で質の高い攻撃と、粘り強い守備。接戦を勝ち抜く勝負強さも見せたチームは14年ぶりに4強入りし、17年ぶりとなる決勝進出、そして優勝を果たした。
大野監督は「優勝してホッとしています。絶対に達成したかったので、嬉しい反面、ホッとしている半面で。これで埼玉県に恩返しできたかなと思います」と喜び、選手たちに向けては「まずは今回(AFC U-16選手権で)日本代表がU-17の世界を決めたので、そこに一人でも多く選ばれて欲しいです。(U-16日本代表という)同じ年代が戦う今回(AFC U-16選手権)、埼玉からそこに行った選手が1人(山田奈央)しかいなかったので、できるところを見せて欲しいですし、世界の舞台で戦って成長して一人でも多く代表、プロに行って欲しい」と期待した。
選手たちも代表に入っていく気持ちでいる。須藤は「代表は難しい場所でハイレベルなので、そこに乗り込めるようにもっともっと頑張っていきたい」と意気込み、決勝で決勝点のFW大澤朋也(大宮ユース、1年)も「今回選ばれなかったのは結構悔しいんですけれども、今回選ばれた人が次に繋いでくれたのでワールドカップのメンバーに入れるように頑張りたい」と誓っていた。
埼玉から世界へ。今回、日本一を経験したメンバー、そして自チームや埼玉県内でその経験を伝えられた選手たちが来年、埼玉の代表として世界と戦う。
(取材・文 吉田太郎)●第73回国民体育大会「福井しあわせ元気国体」特集
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