強豪校の練習施設に潜入取材。「美しく勝て」の國學院久我山は限られた環境の中で技と判断力を磨く
ゲキサカ / 2018年10月18日 12時17分
高校サッカーの強豪校はどのような環境でトレーニングしているのか。グラウンド、部室、サッカー部寮……。各校の協力によって、高校進学を控えた中学生たちにとっても貴重な情報を教えてもらってきたぞ。第8回は「美しく勝て」をスローガンに15年度選手権準優勝、今夏のインターハイでも16強入りしている國學院久我山高(東京)だ。
■人工芝グラウンドは他の運動部と共用
校内の人工芝グラウンドは08年に完成。サッカー部はこのグラウンドで技術と判断力を磨いている。ただし、グラウンドは公式戦が開催できる広さになく、他の部活動と共用。普段、Aチームの選手たちは4分の1コート弱の広さのスペースでミニゲームなどを行い、自分たちの武器を高めている。最低限の設備で行われている質の高いメニュー、選手たちの集中力がその強さを生み出している。
取材日は野球部のトレーニングがオフ。グラウンド全面を使用してトレーニングしていた。野球のマウンドやベース周辺の土の部分ももちろん、“ピッチ内”。
■久我山のトレーニングは「対面パス」から
高い技術力でボールを正確に動かす久我山サッカーの源が「対面パス」だ。選手たちは対面パスからトレーニングを開始。GKも“生命線”である精度を磨くために「対面パス」に取り組む。
清水恭孝監督の指導の下、3対1や4対4プラスフリーマン2人などのトレーニングがテンポ良く進められていく。全選手が取り組むメニューがある一方、一部の選手に見る時間を与え、ピッチに入った際にエネルギーを持って入れるようにする意図のあるメニューも。
■リーグ戦は系列大学のグラウンドなどで
人工芝グラウンドで公式戦を行うことはできず、「練習試合はアウェー」。都リーグの公式戦は系列の國學院大學たまプラーザキャンパスグラウンドなどで開催される。
■午後7時に完全下校
進学校の國學院久我山は午後6時10分が下校時間。サッカー部は強化クラブのため考慮されているが、それでも午後7時には完全下校しなければならない。トレーニングは午後6時30分までの約2時間。選手たちは集中して汗を流し、そこからダッシュで着替えて家路へ。
決して環境が恵まれている訳ではない。勉強にも多くの時間を割かなければならない。だが、その環境を“メリット”としてサッカーでも、勉強でもトップを目指しているのが國學院久我山だ。その注目校は10月20日に東京都Bブロック予選初戦を迎える選手権で、日本一に挑戦する。
(取材・文、写真 吉田太郎)●【特設】高校選手権2018
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