ロシアW杯のテクニカルレポート公開‼︎ FIFAが見つけた『5つのトレンド』
ゲキサカ / 2018年10月19日 12時41分
国際サッカー連盟(FIFA)は16日、ロシアワールドカップのテクニカルレポートを公表した。各試合を詳細に論じた冊子は合計140ページにも及ぶが、公式サイトではそれらをまとめた5項目のキーポイントを提示。4年に1度の大祭典で見つかった現代サッカーのトレンドが描き出されている。
このレポートはFIFAの技術調査グループが実施。技術発展部門でチーフを務める元オランダ代表FWのマルコ・ファン・バステン氏を筆頭に、ベルギー出身のテクニカル・ディレクターであるスティーブン・マルテンス氏ら9人を中心に作成されている。
レポートの冊子では各チーム、各試合のデータが詳細に記されているが、その中で「主な調査結果」として挙げられているのは5つの項目。ボール保持率、走行距離、PA外からのシュート成功率、コーナーキックの有効性、プレーメーカーの役割の5つだ。
●ボール保持率
全試合を通じたボール保持率が最も高かったのはスペイン代表の69%。それに続くのはドイツ代表の67%だ。だが、スペインは決勝トーナメント1回戦で開催国ロシア代表に敗戦。ドイツにいたってはグループリーグで敗退した。
一方、優勝したフランス代表は32チーム中19位で48%。開催国でベスト8入りを果たしたロシア代表は30位の38%で、ボールを握らないチームの躍進が目立った。とはいえ、準優勝のクロアチア代表は6位の56%、3位のベルギー代表は11位で53%と、単純に論じることは難しそうだ。
●走行距離
1試合あたりで最も多く走っていたのはセルビア代表の113.0km。ドイツ代表の111.9km、開催国ロシア代表の110.7kmがそれに続いている。一方、優勝国のフランスは28位の101.0km、2位のクロアチアは23位の102.7kmにとどまっている。
●PA外からのシュート
今大会ではペナルティエリア外からのシュート成功率に大幅な改善が見られたという。2014年のブラジル大会は42本に1本が決まったが、今大会では29本に1本という割合だった。
なお、開催国ロシア代表は8本のうち1本という高確率でミドルシュートがゴールネットを揺らしていた模様。それに続いたのは優勝国のフランス代表と日本代表で、10本に1本という割合だった。
●CKの有効性
今大会ではコーナーキックからの得点率も向上していた。10年南アフリカ大会は61回に1ゴール、14年ブラジル大会は36回に1ゴールという割合だったが、今大会では29回に1回の確率でゴールが生まれていたようだ。
●プレーメーカーの役割
FIFAの総括では「今大会ではプレーメーカーと呼ばれる選手が少なかった」とされており、「プレースタイルが変わった結果だろう」と分析。その一方で決勝戦を戦ったフランス代表、クロアチア代表にはMFポール・ポグバ、MFルカ・モドリッチがいたと指摘する。
「マエストロは作ることができない」「モドリッチが試合の手綱を引くのは見ていて素晴らしい。彼は格式高いアートだ」。スタッフは一様にそのようなコメントを残し、「ポグバも素晴らしかったが、大会をさらったのはモドリッチだった」と総括している。
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