これが日本の10番…「裏街道したつもりじゃなかった」安部裕葵、別格の存在感で2アシスト
ゲキサカ / 2018年10月23日 9時19分
[10.22 AFC U-19選手権第2戦 U-19日本代表 3-1 U-19タイ代表]
MF安部裕葵(鹿島)は別格だった。左サイドハーフの位置で先発した“10番”は華麗な個人技で2点を演出し、日本に勝利をもたらした。前半27分、左サイドに空いたスペースに縦パスを出して走り込むと、先に追いついた相手DFに体をぶつけてボールを奪い返し、エリア内に進入。DF2人の間をドリブルで切り裂き、体勢を崩しながら出したグラウンダーのクロスが先制点につながった。
この場面は裏街道を狙ったかにも見えたが、実際は左SB東俊希(広島ユース)の駆け上がりを想定したパスだったという。
「あれは裏街道したつもりじゃなかったんですよ(笑)。俊希に出したつもりが止まっちゃってて(笑)。だから行かなきゃ、と。でもあそこで判断を変えていけるのは自分のコンディションが良い証拠ですし、自分の体が動けるなという確認ができた」
抜群の技術と瞬時の判断力が光ったプレー。鋭いドリブル突破で相手守備陣を翻弄すれば、体をぶつけて奪い返すタフさも示した。大会前はコンディション不良で別メニュー調整が続いたが、体のキレを自身も実感できたようだ。前半42分にはパスがカットされるも、自ら奪い返して中に切れ込むと、DFを引きつけて絶妙なスルーパスを通し、追加点をお膳立てした。
精度の高いパスで2アシストを記録。敵陣でボールを奪取するなど守備でも貢献し、ポジションを変えながらフル出場した。後半は押し込まれた時間帯もあったためか、自身の評価を聞かれると「自分の出来というのはチームスポーツなのであまり点数みたいなものはつけにくいですけど、勝利したということで平均点は自分に付けるべきだと思います」と謙虚に話した。
鹿島でACLを戦ってきただけに、アジアのチームとの勝負には経験値がある。「試合の雰囲気をつかむのは得意」と話すファンタジスタは「時間がかかる選手は試合の雰囲気を掴むまでにかかるけれど、僕は鹿島アントラーズというチームで経験させてもらっている。誰よりも早くそういう雰囲気を感じ取ってチームに伝えたり、そういうことが大事」と意識高くチームをけん引し、ピッチ上で輝きを放った。
(取材・文 佐藤亜希子)
●【特設】AFC U-19選手権インドネシア2018
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