「戦争ですから」。5度目のワールドカップ初戦を迎えるアンプティ日本代表のエース、エンヒッキの悲壮な覚悟
ゲキサカ / 2018年10月28日 7時18分
アンプティサッカーのワールドカップ(W杯)がいよいよ幕を開ける。日本代表は最後の調整を終え、日本時間29日の初戦・コスタリカ戦に備えた。
メキシコ入り後、移動のバスを待つ時間が多く、ボールを蹴って待つのが日課となるほど気持ちが高ぶってきた日本代表戦士の中にあって、唯一金髪にして決戦に挑むエンヒッキ松茂良ジアスは出発前、サッカー元日本代表の日本障がい者サッカー連盟会長・北澤豪氏と固い握手を交わしながら、こう誓っていた。
「どんな結果で帰ってこられるかはわかりませんけど、とにかく頑張ってきます。戦争ですから」
2007年、ブラジル代表としてW杯に初めて参戦し、翌2008年に仕事のために来日。当時、日本にはアンプティサッカーという競技そのものがなかった。エンヒッキは、日本の子供たちに交じってサッカーをすることから普及をはじめた。最初に声をかけてくれたのは、当時知的障がい者のサッカースクールコーチだった、日本代表の杉野正幸監督。その後も陸上競技サークルやJリーグクラブを通して選手募集をかけた。2010年、1つ空いていた参加国枠でW杯に出場するために、今の協会を設立した。
「(8年かけて)ここまで来たか、という気持ちもありますが、世界を目指すにはもっと競技人口を増やさないといけない。今回のW杯にむけて、僕はこれが最後だと思って頑張ってきました。なぜなら、明日、何が起こるかわからないじゃないですか。さかのぼれば僕だって、(足を切断する転機となった)事故にあった5歳のとき、亡くなっていたかもわからないんです。だから毎日を大切にしないといけない」
エンヒッキが誓ったように、W杯は競技を通して国のプライドをぶつけ合う「戦争」だ。競技熱をさらに高めるには、目標とするベスト4の結果が欲しい。明日なき戦いの覚悟を胸に、エンヒッキがピッチに飛び出す。
(取材・文 林健太郎)
●障がい者サッカー特集ページ
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
熊谷紗希が語るW杯と五輪の“違い”「世界大会という意味では同じだけど…」
ゲキサカ / 2024年7月8日 20時42分
-
父に並ぶ主要大会ベスト8進出狙うルーマニア指揮官…「オランダ相手に完璧に近いプレーをしなければならない」
超ワールドサッカー / 2024年7月2日 18時45分
-
「ほんとに苦しくて…」 清水の舞台から飛ぶ覚悟で涙、陸上・田中佑美が0秒03差で逃した日本一【日本選手権】
THE ANSWER / 2024年7月2日 7時43分
-
バスケ×サッカー“93年組”女子代表2人が明かす五輪の舞台裏。「気持ち悪くなるほどのプレッシャーがあった」
REAL SPORTS / 2024年7月2日 2時30分
-
「そっくり!」と話題になった2人が初対面。アカツキジャパン町田瑠唯と元なでしこジャパン岩渕真奈、納得の共通点とは?
REAL SPORTS / 2024年6月28日 2時45分
ランキング
-
1北勝富士が初白星 朝乃山の負傷を土俵下で目の当たりにし「僕も膝をケガをしている身として鳥肌が立った」
スポーツ報知 / 2024年7月17日 20時50分
-
2「いつもなんですよ」楽天・今江監督の疑問から日程を確認すると…西武戦なぜ週末ばかり?
スポニチアネックス / 2024年7月18日 8時2分
-
3オリ・中嶋監督「現時点で1番弱いんじゃないですかね」 ここ6戦で零敗4度「どれだけ必死にやって…」
スポニチアネックス / 2024年7月17日 21時29分
-
4「面識のない女性を3対1で…」性的暴行で逮捕・佐野海舟容疑者「社会を知らない」と危惧していた父…直前に「プライベートも楽しむ」“意味深”投稿
NEWSポストセブン / 2024年7月17日 19時23分
-
5《オールスターで特大HR》大谷翔平の妻・真美子夫人、ドジャース奥さま会で“目立たないように…” 集合写真では前列中央から“後列の端のほう”に立ち位置移動
NEWSポストセブン / 2024年7月18日 7時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)