ライバル大社に先制されるも落ち着いて対応、立正大淞南が逆転勝ちで島根3連覇!
ゲキサカ / 2018年11月10日 19時50分
[11.10 選手権島根県予選決勝 立正大淞南高 2-1 大社高 島根県立サッカー場]
第97回全国高校サッカー選手権島根県予選決勝が10日に行われ、立正大淞南高が大社高を2-1で下し、3年連続17回目の全国大会出場を決めた。
両チームは昨年度、全国総体県予選と選手権県予選の決勝で対戦し、今年度も全国総体県予選決勝で対戦。4大会続けて全国切符を争うことになったライバル対決は、過去3大会とも勝って優勝している立正大淞南が序盤から主導権を握った。
主将のDF山田祐樹(3年)が「試合への入りがすごく良かった」と振り返ったように、前線からのプレッシャーや中盤の攻防で優位に立ち、奪われたボールをすぐに回収して連続攻撃を仕掛ける。だが前半11分、DF柴田峻司(3年)が左CKにヘッドで合わせたシュートはわずかに外れ、同22分にはエリア内に侵入したMF山田真夏斗(2年)のシュートが右ポストに当たるなど、なかなか均衡を破れない。
『四度目の正直』を狙う大社は、GK藤江理喜(3年)からのビルドアップで状況を打開しようとするが、立正大淞南のプレッシャーを受けてミスが出るなど、マイボールを短時間で手放してしまう場面が多かった。しかし前半29分、自陣でのボール奪取からプレッシャーをかいくぐり、右サイドに展開。良い形で攻め込むと、MF吉田新大(2年)のセンタリングを、ニアサイドに走り込んだ若菅颯太(3年)が蹴り込んで均衡を破った。
今回の予選初失点で先制された立正大淞南だが、その後も主導権を握る展開は変わらず、前半終了間際に同点ゴールを奪う。アディショナルタイム直前の前半40分、山田真が敵陣の密集でボールを拾った次の瞬間、最終ライン背後のスペースへ浮き球のパス。「出してくれると信じて走った」というFW藤井奨也(3年)が、飛び出してきたGK藤江をかわし、左足で蹴り込んでネットを揺らした。
1-1で迎えた後半の立ち上がりは、大社が敵陣までボールを運ぶシーンもあったが、先に得点したのは立正大淞南だった。後半11分、FW鶴野怜樹(3年)が左サイドでボールを持つと、大社の選手2人が寄せてきたところでドリブルでエリア内に侵入し、ファウルを受けてPKを獲得。これを藤井が蹴り込み、逆転に成功した。
その後も立正大淞南は、衰えない運動量で大社の攻撃を封じ、勝利を決定付ける3点目を狙うものの、大社の守備陣も粘って追加点を許さない。終盤は立正大淞南の背後を狙うパスが大社の守備網にかかるようになり、大社が攻め込む場面もあったが、佐々井秀臣監督が「なかなかフィニッシュまで持ち込めなかった」と振り返ったように、クロスやシュートが精度を欠き、相手を脅かすまでには至らず。結局そのまま2-1で振り切った立正大淞南が、3年連続の選手権出場を決めた。
優勢に進めながらも先制され、嫌な流れになりかけた立正大淞南は、南健司監督が「落ち着いて対応できた」と語った通り、自分たちのスタイルを出し切って逆転勝利をつかんだ。今年度の全国総体では2勝を挙げて16強入りしているが、選手権は過去2年、いずれも初戦で敗れている。南監督は「初戦を突破し、島根県の皆さんが期待している結果を出したい」と意気込み、その過去2年の敗退時も出場している山田祐は「2年連続で負けて、もう初戦敗退はしたくない。全国までの残り1か月で力を伸ばしていきたい」と本番を見据えていた。
(取材・文 石倉利英)●【特設】高校選手権2018
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