1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. サッカー

伝統校の意地…岐阜工が元Jリーガー監督のもと『堅守速攻』に磨きかけて4年ぶりV:岐阜

ゲキサカ / 2018年11月11日 0時15分

 得意のロングカウンターを成功させて、さらに勢いに乗った岐阜工は、後半14分に羽鳥の突破からPKを獲得すると、森が真っ先にボールに駆け寄った。「自分が決めて、勝利に導きたかった」。ゆっくりとペナルティースポットにボールを置くと、冷静にGKの逆を突くシュートを決めて、2-0と貴重な追加点を奪った。

 2点のリードは堅守・岐阜工にとっては十分なリードだった。太田と山本勇翔のCBコンビが中央に堅い壁を築き、彼らが弾いたボールを準決勝からレギュラーに抜擢されたボランチの林大成が回収。この試合で林の運動量とボールへの寄せ、そしてボール奪取力は際立っていた。彼のプレーのキレが最後まで落ちなかったことも、岐阜工の堅守をより盤石なものにした。

 それでも2連覇を狙う中京学院大中京は終了間際に猛攻を仕掛け、後半アディショナルタイム4分にMF伊藤好輝のヘッドのこぼれ球をFW名取龍矢が押し込んで1点を返した。だが、反撃は届かなかった。

 タイムアップの瞬間、岐阜工の森は両膝をついてガッツポーズ。ピッチ上の選手、ベンチ、スタンドから大きな歓声が上がった。「ゲーム体力は伝統として積み上がっていたので、羽鳥は縦のスピード、熊澤はバイタルエリアに入ったら自由になど、個々の良さを生かす方向に仕向けました。それにプラスして全体の守備への意識付けをして、特に前線からの守備のポジショニングを意識させました」。今年から就任した元Jリーガーでもある米澤剛志監督が語ったように、伝統に新たなカラーが加わって、今年最後の大会で見事にそれが結果に繋がった。

 米澤監督は優勝した瞬間、喜びのあまりアキレス腱を切り、直後に病院に運ばれてしまうアクシデント。表彰式が終わった後に松葉杖姿で戻ってから、喜びを分かち合う形になったが、4年ぶりの歓喜はチームとしての一体感をさらに強めた。

「僕自身、高校で初の全国大会。それが高校最後の大会になってしまったけど、最後の最後で掴み取れて嬉しい」(森)。

 レギュラーは全員3年生。彼らは岐阜工に入学しながらも、一度も全国に出られなかった屈辱をようやくラストチャンスで晴らした。次は悲願の選手権本戦。「ずっと『岐阜工の時代は終わった』と周りから言われていた分、全国大会でこれまでの想いをぶつけたい」と森が続けたように、名門復活の本番はこれから。『堅守速攻』にさらに磨きをかけ、冬の大舞台で名門の誇りを示さんとする――。

(取材・文 安藤隆人)●【特設】高校選手権2018

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください