ブラサカ日本代表候補・増田がリーグ戦初ゴール。「東京五輪に行きたい」
ゲキサカ / 2018年12月3日 20時18分
[12.2 ブラサカ東日本リーグ最終節 Avanzareつくば 2-0 GLAUBEN FREUND TOKYO 小石川運動場]
手をあげるまで少し「間」が必要だった。1-0で迎えた後半7分、Avanzareつくばの増田周平は高速ドリブルで2人かわして、右足シュートがネットを揺らす。ブラインドサッカーをはじめて5年目にして、待望の初ゴールを決めた。
「最初、入ったかどうかわからなくて、ガイドの人が『入った』とおっしゃって『えっ』と。それがわかってはじめてうれしさがこみあげました。もともと守備のほうが中心でしたけど、ブラインドサッカーをやりはじめて2年目ぐらいから、ずっと決めてやろうという気持ちを持っていました」
チームメートの川村怜も手放しでほめた。
「(増田は)ずっといいプレーしていたけど、ゴールだけとれなかった。あのゴールでチームとして勢いづいたし、僕自身もすごくうれしかったです」
視力は0・6あるが、物心ついたころから暗くなると何も見えなくなる夜盲症で、視野も極端に狭い。原因は網膜色素変性症と言われている。高校までは普通学校に通い、テニス部に所属していたが、2年になると球がみえずらくなり、途中でやめざるを得なくなった。
「感覚としては五円玉の円をのぞいているみたいです。高校までは普通に見えていたんですが、視野欠損は最近出始めて、下(地面)がだんだん見えなくなってきて……。調べたら、全盲になる可能性があるということでした。全盲になったときを想定すると怖いです。でも、『まあ仕方ないな』と切り替えられると思う。親に気を遣わせるのも嫌ですしね」
夜盲のことを友人に話すと、見えずらさに苦労する増田を助けてくれた。「友達に迷惑をかけるな」という親の言葉は、全盲になる可能性もある将来を思うと身に染みるという。
増田は筑波技術大学で鍼灸師の資格取得をめざす大学3年生。昨年12月から強化指定選手として日本代表合宿にも呼ばれるようになった。まだ代表に選ばれたことはないが、日本代表選手との実力差は肌感覚でつかんでいる。
「キープ力がないと、ボールをすぐに失ってしまう。そのあたりが改善されれば、代表の選手たちと何とか勝負できるところまでいかせてもらえるんじゃないかと思っています。東京五輪には行きたいですね」
増田は初ゴールを弾みに、夢舞台に近づいていく。
(取材・文 林健太郎)
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