驚異の80mドリブル突破も…山形MF汰木康也「足りないのは分かっている」
ゲキサカ / 2018年12月6日 0時14分
[12.5 天皇杯準決勝 仙台3-2山形 ユアスタ]
約80mのロングドリブルで仙台守備陣を切り裂いたが、最後は『1年間の課題』に泣いた。途中出場でチャンスを何度もつくったモンテディオ山形MF汰木康也は「ゴール前の質を高めないといけないし、そこが足りないのはわかっている。今日くらいのドリブルはできるので、あとはゴールだけだと思う」と来季に向けて決意を述べた。
クラブにとって4年ぶりの天皇杯準決勝は平日夜に16604人が詰めかけた“みちのくダービー”。ベンチスタートとなった背番号25の出番は後半17分に訪れた。「すごい雰囲気を作ってくれて燃えたし、楽しみながらプレーした。相手サポーターも自分のドリブルで沸かせようと思って試合に入った」。強気でフィールドインした23歳は想定のプレーを披露した。
後半36分、自陣深くでセカンドボールを拾った汰木は迷わず突破を選択。「2〜3人いても抜き切れるし、あそこまで行くのはマスト」という武器を携え、足からボールを離さないドリブルで相手をグイグイと抜き去った。そして最後はPA左まで一気に駆け上がり、「あれで決められたら最高」と振り返る左足シュートを放った。
だが、その言葉には「最高“だった”」という語尾が付いた。シュートにはニアサイドを潰したGKシュミット・ダニエルが立ちはだかり、ボールはゴールラインのほうへ。同点ゴールには到らなかった。「あそこは1年間ずっと課題にしてきたところ。決められなかったのが一番悔しい」。J1クラブ相手に武器が通じたことより、決定機を逸した事実をまっすぐに見据えていた。
1995年生まれの汰木は横浜FMアカデミー出身。高校時代はクラブユース選手権MVPを獲得した有望株だったが、トップチーム昇格を逃して山形にやってきた。「普段は試合をあまり見ることもないけど、J1で普通に試合に絡んでいる後輩からは刺激を受けている」。古巣とはほどほどの距離感を保つが、「今日くらいのプレー、今日以上のプレーを続けて、違いを見せ続けられるように頑張りたい」とリベンジには意欲。それを実現するためには来季、対戦権を得られるトップカテゴリへの昇格を掴むほかない。
(取材・文 竹内達也)●第98回天皇杯特設ページ
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