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JFL奈良が異例の新体制発表、欧州帰りの23歳をGM抜擢「2番目に好きなクラブを目指す」

ゲキサカ / 2018年12月9日 17時30分

中川政七社長、矢部次郎副社長、林舞輝GM、幅允孝クリエイティブディレクター(写真左から)

 日本フットボールリーグ(JFL)の奈良クラブは9日、東京都内で『新体制&ビジョン発表会』を行い、新たな経営体制の狙いや目標を説明した。社長には株式会社中川政七商店の中川政七会長(44)が新たに就任。競技部門を統括するゼネラルマネジャー(GM)には、欧州での指導者経験を持つ林舞輝氏(23)が抜擢された。

 ホームタウンの奈良県ではなく、東京・南青山のイベント会場で行われた発表会。地元サポーターはネット配信で映像を観るという異例の形式となっていたが、あえて首都圏へと手を広げた理由は、23歳GMが掲げる「2番目に好きなクラブを目指す」というスローガンに表れていた。

「奈良の皆さんに愛されるようなクラブを目指していくのは当然のこと。ただ、そこにいない人にも愛されているクラブはある。もしどこかのJクラブのファンだとしても、自分たちのクラブの試合がないときは、何となく結果が気になってしまうようなチームをつくりたい」(林GM)。

 地域に根ざすサッカークラブは多くの場合、地元のサポーターによって支えられる存在。だが、日本国内に欧州クラブを愛する人々がいるのと同様に、ホームタウン外のファンを引きつけることもできる。奈良の場合、魅力のフックとなるのは「ゲームモデル」という考え方に代表されるクラブの『体系』だ。

 ゲームモデルとは「分かりやすく言えば、試合の模型を作ること」(林GM)。ピッチ内の戦略、戦術を定めるのは監督だと思われがちだが、試合の模型、すなわち「クラブのビジョンがあって、ミッションがあって、その上でどういうサッカーをしたいか」というモデルは、クラブ自体が設計すべきものだという。

「サッカーは体系的なもので、ビジョン、ミッションの先に戦術がある」。ゲームモデルの重要性をそう語る林GMにとって、試合は「奈良クラブのビジョンを表現する場所」という位置付け。クラブはビジネス、教育、デザインなど多分野の活動でも同時に挑戦を広げていく構えだが、そんな体系的な取り組みがピッチ上での魅力向上につながると考える。

 この確信は自身の経験から培われたものだ。林GMは高校卒業後、単身イングランドに渡って大学でサッカーを学び、修了後はポルト大学院の指導者養成コースに在籍。コーチング理論を深め、地元クラブの育成組織を指導するかたわら、現マンチェスター・Uのジョゼ・モウリーニョ監督が主催するスクールに日本人で初めて在籍した経験を持つ。

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