「ピッチに立つからには…」準決勝で負傷の3人が強行先発、“満身創痍”の浦和が粘り勝ち
ゲキサカ / 2018年12月10日 2時22分
[12.9 天皇杯決勝 浦和1-0仙台 埼玉]
“満身創痍”の逆境も跳ね返した。浦和レッズは5日の準決勝・鹿島戦(○1-0)で負傷交代したFW武藤雄樹、FW興梠慎三、MF青木拓矢の3人が中3日でそろって強行先発。オズワルド・オリヴェイラ監督が「興梠、武藤、青木は制限された条件の中で戦ってくれた。制限されている中で高い水準のプレーと規律を見せてくれた」と話したように、状態が万全でない中、武藤は後半39分まで、興梠は後半アディショナルタイムまでプレーし、青木はフル出場した。
「ピッチに立つからにはしっかりプレーしようと思っていた」という武藤だが、「昨日の練習もできなかったし、この段階でも痛い」と、試合前日も別調整だった。痛みを押しての覚悟のプレー。「ドクターやトレーナーが僕のために力を尽くしてくれて、ピッチに立たせてくれたことに感謝している」と試合後は安堵の表情だった。
前半13分にセットプレーの流れから先制したが、その後は仙台にボールを持たれる展開。90分間でシュート数は7本対16本と押し込まれたが、指揮官は「制限されている中でのプレーだったので、守備的な流れになるのは予想していた」と、想定内だった。「だからこそチームの規律を称えたい。指示をしっかり守ってくれた。それぞれが犠牲心を持って最後まで戦ってくれた」と選手をねぎらった。
DF槙野智章も「ケガを抱えている選手とも話したけど、最後の1試合だし、立てないくらいになるまでやりたいというのは感じた。メディカル(スタッフ)も試合まで付きっ切りで治療していた。怖かったと思うけど、使命感もあったと思う」と、ケガを感じさせないプレーを見せたチームメイトを称えた。
11年に流通経済大から仙台に入団し、15年から浦和でプレーする武藤にとっては古巣相手の決勝戦でもあった。「(仙台は)自分をプロにしてくれて、育ててくれた大事なクラブ。複雑な気持ちもあるけど、仙台とこういう舞台で素晴らしいゲームができたのは良かった」と感慨深げに話した。
(取材・文 西山紘平)
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