[MOM583]筑波大MF三笘薫(3年)_目指すは“五輪基準”。キレキレ突破&ダメ押し弾も「10点中7点」
ゲキサカ / 2018年12月15日 19時57分
[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ supported by KIRIN]
[12.15 インカレ2回戦 筑波大4-1仙台大 柏の葉]
次元の違うドリブル突破で次々に得点を導いたかと思えば、劣勢だった後半にはチームを救うダメ押しゴールもマーク。東京五輪での代表入りを狙う筑波大MF三笘薫(3年=川崎U-18)がインカレ初戦でさすがのパフォーマンスを披露した。小井土正亮監督も「今日は三笘さまさま」と脱帽の働きぶりだった。
2020年の川崎F加入が内定している三笘は東京五輪世代。技術を生かしたドリブル突破に加え、中盤選手としては十分な上背を備えており、2年後の代表入りの期待を寄せられているアタッカーだ。だが、今夏のアジア大会を体調不良で不完全燃焼のまま終えると、11月のUAE遠征には招集されなかった。
「前回選ばれなかったことで、代表から遠ざかっていると思う。だからこそ、もっともっとやらないといけないという自覚はある」。そう語る三笘にとって、全日本大学選手権(インカレ)はチームとして優勝を狙う場であり、自身のアピールの場でもある。「(代表スタッフも)見ていると思う」とその意識は隠さない。
そうして迎えたインカレ初戦の仙台大戦。チームはやや緊張した立ち上がりを迎えたが、背番号7はさっそく違いを見せつけた。まずは前半13分、左サイドで前を向き、相手の体勢を崩しながら縦へとドリブル突破。深くえぐり切って中央に折り返すと、相手DFに当たったボールがゴールに入った。
「今日は1対1が多かったので、積極的にしかけようと思って入った。自分が起点になってどんどん行こうと思った」。そんな意識が早い時間のうちに結実。さらに前半22分、1点目と同様の形から今度は味方に通すと、FW小笠原佳祐(4年=東福岡高)の泥くさいゴールを呼び込み、“実質2アシスト”と言える結果につなげた。
また、風下で劣勢となった後半には貴重なダメ押しゴールを自らの左足で決めた。本人は「チームを助けたと思うけど、1点目も2点目も大事なゴール」と平然と語ったが、1点を返された後だったため効果は絶大。指揮官は「苦しい時にチームを救ってくれて、本当に『さまさま』でした」と認める大きな一発だった。
とはいえ、この日のプレーは「10点中7点くらい」とあくまでも『及第点』といったところ。試合後には「後半は運動量が少なくなって、何もできなかった。チームにとってきつい時間帯もあったし、そこでセカンドボールを拾ったり、もっと前からのプレスをかけたりもやりたかった」と課題を語る。
その意識はチームのためでもあり、自身のステップアップのためでもある。「そこは上のレベルなら最低限やらないといけないこと。もっとやらないと代表にも選ばれないし、基準を上げていかないといけない」。そんな21歳にとって、この大会は飛躍に向けた願ってもないチャンス。2年ぶりの頂点に向けて「自分の特長を出して勝利に貢献したい」と力強く意気込んだ。
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(取材・文 竹内達也)
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