静産大4年の“黒子”コンビ、インカレ初戦で「あり得ない」はずのアベック弾!
ゲキサカ / 2018年12月13日 6時30分
[12.12 インカレ1回戦 静岡産業大4-0松山大 熊谷陸]
静岡産業大MF井上諒(4年=静岡学園高)、MF山本拳士(4年=甲府U-18)は今季の中盤中央を支えているボランチコンビ。「2人とも守備的なタイプなので、ボールを持つほうじゃない」と口を揃えるが、全国初戦の舞台では攻守にハイパフォーマンスを発揮し、過去に一度も例のないアベックゴールを果たした。
大学生活最後の大会にあたるインカレに望んでいる2人だが、今季ここまでの公式戦ゴール数は2人合わせても『1』。井上が記録したものだ。だが、1回戦を終えた段階で、その数は一気に『3』まで積み上がった。
先にゴールを決めたのは今季無得点だった山本。前半42分、セットプレーのこぼれ球がPA右に流れると、ゴール前へと衝動的に飛び込んだ。「いつも上がらないので、何で上がったのか分かんないんです。なぜか居たんですよね(笑)」。そう苦笑いも見せたが、見事なダイレクトシュートでネットを揺らした。
「大雅がいいクロスを上げてくれたのでとにかく押し込む気持ちだった。チームのためになってよかった」。殊勲の先制弾を決めた背番号12は豪快なガッツポーズでチームメートと喜びを共有。周囲には「なぜそこに…」とやや戸惑い気味にも見える表情で祝福するイレブンの姿も見られた。
さらに後半16分、次は相方の番だった。FW遠山拓民(4年=甲府U-18)の直接FKが相手GKを襲うと、すぐさまこぼれ球に反応。「こぼれ球はいつも狙っていて、こぼれたらいいなという感じだったけど、準備していて良かった」(井上)。そう振り返った背番号6に2人が揃ってのゴールの経験を問うと「あり得ないです(笑)」と即答された。
試合記録では得点が目立つ2人だが、この日は“黒子”としての働きも目立った。うまくボールポゼッションできない時間帯では、中盤を縦横無尽に動き回って前線へのパスコースをアシスト。守備では鋭いカウンターを見せる相手に対し、しぶとく身体を寄せてスムーズな攻撃をさせないようにしていた。
「どっちかがファーストディフェンスに行って、どっちかが2個目を回収するというのは徹底してやっている」と話すように、2人の連携は息ぴったり。2回戦は夏王者の明治大ということで、守備の役割も増大することが見込まれるが、「俺らの持ち味を出したい」(井上)、「自分たちが全ての球際で勝つことで勢いに乗れる」(山本)と真っ向から潰しに行く構えだ。
(取材・文 竹内達也)●第67回全日本大学選手権(インカレ)特集
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