「じゃあ、蹴らせてもらう」…法政大FW上田綺世の“礼儀”
ゲキサカ / 2018年12月16日 14時37分
[12.15 インカレ2回戦 新潟医療福祉大2-3法政大 浦安]
ホイッスルが吹かれる。主審が指したのはペナルティースポットだった。1-2とリードを許して迎えた後半32分、1点のビハインドを背負う法政大(関東3)にPKが与えられる。キッカーを務めたのはU-21日本代表FW上田綺世(2年=鹿島学園高)だった。
PKを獲得したのは途中出場で左サイドハーフの位置に入っていたMF森俊貴(3年=栃木ユース)。左サイドから果敢な仕掛けでPA内に侵入すると、相手選手のファウルを誘った。「誰がPKを蹴るかは決まっていないので蹴っても良かった」という森だったが、上田がペナルティースポットに向かう。ここで、やり取りがあったことを上田が明かす。
「仮に僕がPKをもらっていたら、自信がなくても蹴りたいと思うし、自分が蹴るのは当たり前」。ストライカーであるならば、自ら得た得点機会を逃すことはしない。しかし、PKを獲得したのは森だ。キッカーが決まっていないため、「あくまでPKをもらった選手を尊重したい」と考える上田は「その選手の意思を聞いた」と森に確認したという。
返ってきたのは「蹴ってくれ」という答えだった。
キッカーを託した森はチームメイトへの信頼を語る。「蹴っても良かったけど、綺世のシュートの速さは知っているし、年代別代表でも大事な場面でPKを決めている。仮に綺世が外したとしても誰も文句を言わない」と――。実際に上田はU-21代表で結果を残していた。5月のトゥーロン国際大会ポルトガル戦、8月のアジア大会マレーシア戦ではプレッシャーの掛かる試合終盤のPKをきっちり沈め、チームに勝利をもたらしている。
「じゃあ、蹴らせてもらう」とペナルティースポットに向かった上田。重圧の掛かる場面だったが、右足から放たれたボールは仲間の信頼に応えるように見事にネットを揺らす。同点に追い付いて勢いに乗ったチームは、3-2の逆転勝利を収めて準々決勝進出を決めた。
(取材・文 折戸岳彦)
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