“インカレ男”法政大FW松澤、42年ぶりV貢献も無得点「あれが自分と綺世の差」
ゲキサカ / 2018年12月22日 20時17分
[12.22 インカレ決勝 法政大1-0駒澤大 駒場]
リーグ戦はわずか4試合の出場に終わった“インカレ男”にもこの日、歓喜の時が訪れた。法政大FW松澤彰(3年=浦和ユース)は今大会、準々決勝から3試合連続でのスタメン起用。ゴールを奪うことはできず、来季への課題も積み残したが、190cmの長身を生かしたポストプレーで存在感を放った。
長山一也監督いわく「インカレ男」。負傷中のFW上田綺世(2年=鹿島学園高)が時間限定での出場ということもあり、昨季の決勝進出の立役者となったストライカーが今大会でも出番を勝ち得た。「昨年は結構点を取っていたし、相性の良さを含めて起用した」(長山監督)。担ったのは最前線での潰れ役だった。
準々決勝の関西学院大戦、準決勝の順天堂大戦では背の高くない選手と対峙したが、決勝の駒澤大戦は屈強な守備陣とマッチアップ。「監督から直接言われたわけではないけど、自分がどれだけ相手を疲労させるかがカギになると思っていた」という21歳は激しいぶつかり合いから逃げなかった。
大学トップクラスのフィジカルを誇るDF星キョーワァン(3年=矢板中央高)との空中戦を何度もこなし、プレッシャーを受けながらも縦パスを受けようと試みた。そうしてボールの落ち着きどころをつくった松澤は後半15分、「決めてくれるという安心感がある」という上田にバトンをつないだ。
松澤から上田への交代は3試合連続。交代時に2人が笑みを浮かべる光景はもはやおなじみだが、松澤は「ゴメンな」と伝えていたという。「2点くらい決めて代わってくださいって言われていたけど、今日も決められなかったので『またかよ』です」。必勝パターンを経た法政大はすぐに決勝点を奪い、42年ぶりの栄冠をつかんだ。
試合後、持ち前の明るさでチームメートを沸かせていたストライカーは、昨季は目の前で届かなかったタイトル獲得について「4年生のために優勝しようと思っていたので嬉しい」と素直な喜びを表現。その一方で「点を取ることができなくて、悔しい気持ちもある」と振り返った。
特に悔いたのは決め切れなかった後半6分のヘディングシュートだ。「綺世なら決めていただろうし、あれを決められるかが自分と綺世との差」と力不足を痛感した。大学ラストイヤーの目標は得点力向上。「もっと点を取れる選手になって、スカウトにアピールしたい」と夢への道を切り開く1年とする構えだ。
(取材・文 竹内達也)●第67回全日本大学選手権(インカレ)特集
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