[MOM2773]青森山田MF天笠泰輝(3年)_2年前の優勝をもう一度、渾身の左足先制弾
ゲキサカ / 2019年1月2日 20時10分
[1.2 選手権2回戦 青森山田6-0草津東 ニッパ球]
MF天笠泰輝(3年)が放った左足シュートは、弧を描きながらゴールへ。青森山田高(青森)の大量6得点の口火を切ることになった。
青森山田の黒田剛監督も「ちょっと固さも見られた」と振り返る高校サッカー選手権の初戦。観客はスタンドを埋め尽くし、全国ネットで放送される大舞台は青森山田の選手にとっても当然緊張するものだ。しかし、天笠は「自分は1年生のときに1回経験しているので」とその素振りを見せない。1年生にして2016年度の初優勝メンバーとなった天笠、そしてDF三國ケネディエブス(3年/福岡内定)、MF檀崎竜孔(3年/札幌内定)の3人は、「ガチガチにならないように、伸び伸びプレーしよう」と試合に臨んだという。
その動きはすぐに結果となって現れた。前半13分、MFバスケス・バイロン(3年)が右サイドから前線に送り、FW佐々木銀士(3年)が落としたところを、天笠が左足一閃。相手GKの頭上を越えたボールは、勢いよくゴールネットを揺らす。指揮官も「一番シュートの(成功)確率が高い」と評する中盤の要が、その期待に応えてみせた。
得点という結果が出たことで青森山田の固さは少しずつほぐれ、結果的に6-0の大勝。天笠は「最後は足を攣っていました」と振り返るものの、「替えてほしいとは思わなかった」と意地の80分間フル出場でチームに大きく貢献した。
得点という結果を残した天笠だが、その80分間で表現したプレーは攻撃だけにあらず。相手にボールを奪われると、「自分が一番最初に切り替わればチームもついてくる」と素早くハイプレス。ボールを持つと、両足を駆使してサイドに大きく展開し、試合の流れを大きく変えていった。
自身が一番こだわりを見せるのが球際だという。春先には監督から“史上最悪のボランチ”と称された。「本当に悔しくて、監督に言われたことをできるまでずっとやっていましたし、当たり負けしない体っていうのをこの一年間やってきた。ボールを取られないところは4、5月から成長したところだと思うし、球際では絶対に負けない」。反骨心が大きな糧に。草津東の主将・GK加藤直(3年)も「特に天笠くんが中盤ですごく潰していて、非常に驚いた」と称賛する。
目標は1年生のときに経験した優勝だ。しかし今度は自らが率先してチームを牽引していく。「この一年間(檀崎)竜孔にも任せっきりっていうことも多かった。最後の大会なので、自分もやらないと優勝はできない」。あの瞬間をもう一度見るために、これまでの努力を無駄にはしない。
(取材・文 石川祐介)●【特設】高校選手権2018
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