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湘南・チョウ監督が視察、鈴木冬一は38.5度の熱から病み上がりも「不運は全部刈り落とした」

ゲキサカ / 2019年1月3日 6時13分

球際激しい守備を見せたMF鈴木冬一(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.2 全国高校選手権2回戦 浜松開誠館0-1長崎総科大附 NACK]

 長崎総科大附(長崎)MF鈴木冬一(3年)は病み上がりで選手権初戦を迎えた。12月30日の開会式のあとに体調を崩し、38.5度まで発熱。熱が下がって1月1日の練習に参加し、その夜、自らが持参したバリカンで気合の五厘刈りへ。ポジティブに気持ちを立て直し、「不運が(髪に)ついていたから、全部刈り落とした」と取材陣を笑わせた。

 病み上がりの影響もあったか、持ち前の運動量は際立たず、ゴールに向かう場面も限られ、試合に訪れた湘南ベルマーレのチョウ・キジェ監督は「消えている場面も多かった。バイタルに入った時にこだわって欲しい」と辛口評価。「能力的にはまだまだいける。厳しい世界で揉まれるといい選手になると思う。楽しみにしています」と期待も口にした。

 0-0で迎えた後半22分には連続で左足シュートを打ったが、いずれも相手のブロックに阻まれた。しかし、そのボールを奪い返した流れから決勝点を演出。「今日は初戦を勝たないといけない思いはあって、守備にも専念した」。ゲームキャプテンとして球際激しい守備を続け、最後はうまく時間を使って無失点で逃げ切り、チームを3回戦に導いた。

 2018年3月にC大阪U-18から長崎総科大附に転入し、新たな環境でしのぎを削った一年間。高校サッカーの目標だった選手権のピッチに立ち、「チームの雰囲気が良かった。僕自身、一番楽しんでいたと思う」。最初で最後の選手権は、17年10月に出場したU-17W杯など、これまで経験した大舞台とは異なる楽しさがあった。

 翌3日は壮絶なPK戦を制した帝京長岡(新潟)との3回戦。「自分が点を取るとチームが波に乗るし、結果を残すことは今後のサッカー人生で必要なことなので、こだわっていきたい」。次戦に向けて気合を入れ直し、「明日はもっと走ります」と宣言した。

(取材・文 佐藤亜希子)
●【特設】高校選手権2018

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