[MOM2787]尚志DF沼田皇海(3年)_名手の教え受け、「軸足を意識」。左足FK“スカイ砲”で王者撃沈!
ゲキサカ / 2019年1月3日 18時40分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.3 選手権3回戦 前橋育英高 1-2 尚志高 浦和駒場]
“スカイ砲”が王者・前橋育英高を沈めた。0-0で迎えた後半9分、尚志高は右中間、PAやや外側でFKを獲得すると、左SB沼田皇海(3年)が左足を振り抜く。「壁を越えた瞬間、(入ったことが)分かりました」という一撃は、そのままゴール右隅に突き刺さった。
今大会3試合目だった尚志に対して前橋育英は2試合目。疲労感のあった前半は前橋育英に押し込まれる時間帯もあった。それでも、苦しい展開の試合を一発で変えた沼田の左足。このゴールが尚志を勢いづけた。
仲村浩二監督は沼田に対して「『キックで状況を変えられるのはオマエだ』『キックで魅せろ』と常に言っている」という。その期待に応える鮮やかな一撃。今大会、神村学園高、東福岡高、そして前橋育英と強力なサイドアタッカーを擁するチームとの対戦が続き、左SBの沼田は持ち味である前方の選手を追い越す動きが十分にできていない。守備で精一杯になっている状況が続いたが、大一番で「キックで状況を変えて」貴重な先制点をもたらした。
FKで意識していることは軸足だ。磐田に練習参加した際に同じ左利きの名手、MF中村俊輔と会話する機会があり、「『キックは一番軸足が大事だ』と言われているので意識しています」。J1クラブへの練習参加で前の選手を追い越して2対1を作ることだったり、守備で内側に絞る動きを学んできた。そして、プロのステージでも通用すると感じた左足。その武器をさらに活かすため、名手の言葉を参考に実践してきた成果をこの大一番で発揮した。
「皇海(すかい)」という名は、登山好きの父が栃木県日光市と群馬県沼田市の境にある皇海山から名付けたという。「気に入っています」という名が、この日のFK弾によって多くの人に知られることになりそうだ。
下級生時から注目され、精度を高めてきた左足、“スカイ砲”を武器に次は準々決勝。再び左足で尚志に歓喜をもたらし、高校サッカーの頂きに近づく。
(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018
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