「師匠がミスをカバーできなかった」堂安のゴールを喜ぶ長友の“美しき師弟愛”
ゲキサカ / 2019年1月10日 1時39分
[1.9 アジア杯F組第1節 日本3-2トルクメニスタン アブダビ]
一目散に駆け寄った。2-1で迎えた後半26分、MF南野拓実からのワンタッチパスに抜け出した日本代表MF堂安律(フローニンゲン)が巧みなターンから左足でシュート。ゴール右隅に吸い込まれるのを確認すると、ピッチ後方からDF長友佑都(ガラタサライ)が満面の笑みで走り寄り、“愛弟子”を力強く抱きしめた。
毎日、宿舎で一緒に体幹トレーニングに励むなどピッチ内外で濃密な時間を過ごしている長友と堂安。長友が「彼はビッグクラブに行けるポテンシャルがある。これはお世辞でもなんでもない」と太鼓判を押せば、堂安も「あの人とトレーニングすることで自分の弱さに気づかせてもらった。考え方とか、頭の中をすべて変えないといけないと思ったし、本当にいい人に出会えたなと思っている」と感謝する。
前半26分に先制を許す苦しい展開を強いられたが、そのきっかけとなったのが堂安のパスミスだった。敵陣で右サイドから仕掛けた堂安が中央にマイナスに戻したパスを相手に奪われ、カウンターから豪快なミドルシュートを叩き込まれた。
それでも長友が「彼はあそこで下を向かない。それでも仕掛け続けるのが彼のメンタルの強さ」と言うように、20歳のドリブラーは決して気持ちを落とさなかった。堂安は「僕が取られて失点してしまったけど、ハーフタイムに謝る気はサラサラなかった。試合中に取り返すことだけを考えていた」と言う。
「普通ならナーバス、ネガティブになって、仕掛けられなくなる。でも彼は仕掛けられる。それが得点につながった」。そう称えた長友はそもそも堂安のミスは自分がカバーするべきだったと反省し、「仕掛けることは素晴らしいこと。あのミスも後ろの選手、僕自身がリスクマネジメントしていれば問題なかった。あそこは僕の責任」とかばった。
堂安に駆け寄ったときの心境を聞かれ、「弟子なので。師匠が彼のミスをカバーできなかった。だからすごくうれしかった」と笑顔で答えた長友。32歳と20歳の“美しき師弟愛”は森保ジャパンの大きな武器になりそうだ。
(取材・文 西山紘平)
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