「W杯以上にいろいろなことが起きる」原口が殊勲のPK弾
ゲキサカ / 2019年1月14日 7時57分
[1.13 アジア杯F組第2節 日本1-0オマーン アブダビ]
ハードワークとここ一番の冷静さでチームを勝利に導いた。日本代表が序盤の決定機を決めきれないまま時間が進み、相手GKのファインセーブ連発で嫌なムードが流れかけていた前半28分。自らが獲得したPKをMF原口元気(ハノーファー)が決めた。
「いつもだったらサコくん(大迫)が蹴りますけど、彼がいなかったので、選手同士で話をして“取った選手が蹴ろう”ということになっていた。自分が取ったので迷いはなかった」
気持ちを右足に乗せた。プロ人生でPKを蹴ったのはデュッセルドルフに在籍していた18年1月27日のカイザースラウテルン戦だけ。しかし、ロシアW杯を経験したことで図太さが身についていた。「かなり緊張した。相手のGKが結構当たっていたので最後まで見ようかなと思ったけど……。コースだけは気をつけて蹴った」。冷静なキックだった。
チームが先制点を奪って落ち着いてしまい、後半は攻めあぐねる時間が続いたことで、試合終了直後には「このままでは決勝トーナメントで勝てない」と厳しい言葉も口にしたが、それもロッカールームでチームメイトと話しているうちに考えが変化したという。
「試合後は、もっと圧倒したいし、もっと良いゲームをしたいという気持ちがあったけど、簡単ではないというのは分かっている。1試合1試合、臨機応変に粘り強くやるしかない。W杯以上にいろいろなことが起きると思うので、それにどれだけ対応できるか」
ゴールを決めたことで少しは気楽になったかという質問に対しては「いやぁ」と苦笑いしてこう言った。「アジアを獲らないと肩の荷は下りないと思いますよ。それが一番のプレッシャーになっているし、そのプレッシャーを楽しんでやっています」。試合ごとに異なる問題が生じ、それを試合の中で克服したチームが優勝するのがアジアカップ。原口はどんどんたくましくなっていることを実感しているようだった。
(取材・文 矢内由美子)
●アジアカップ2019特設ページ
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